週刊ベースボールONLINE

背番号物語

【背番号物語】楽天「#77」“闘将”が一貫して背負った背番号。最新の永久欠番は最新の球団による原点回帰

 

監督としては一貫して「77」


中日阪神楽天(写真)の監督として「77」を背負い続けた星野監督


 プロ野球で最新の永久欠番は、2018年3月26日に制定された楽天の「77」。13年に楽天を初優勝、日本一に導いた星野仙一監督が18年1月に死去したことで、その背番号を永久欠番としたものだ。選手の功績をたたえて引退とともに制定されるケースが長く続いていた永久欠番だが、もともとは選手の死を悼んで始まったもの。これについては巨人の「4」を紹介したものに詳しい。楽天は05年からプロ野球に参加している最新チームではあるが、時代をさかのぼり、永久欠番の原点に回帰する動きでもあったと言えそうだ。

 星野監督が14年いっぱいで退任してから欠番が続いていた「77」をあらためて永久欠番としたものだが、監督の背番号が永久欠番になるのはプロ野球で初めてのケースとなり、最新チームならではの新たな展開でもある。ちなみに、楽天の永久欠番としては2番目。楽天は1年目から「10」をファンの背番号として永久欠番としており、いち早く永久欠番の世界にも“参入”している。「10」が永久欠番になるのはプロ野球で3例目だが、楽天の「10」だけは選手としても指導者としても実戦の経験がない背番号。もちろん「10」のファンが送る声援はかけがえのないものだが、グラウンドで躍動した永久欠番としては「77」が第1号となる。

 中日の選手として「22」、そしてエースナンバーの「20」で活躍した星野が、中日で初めて監督に就任した1987年に背負ったのが「77」だった。この「77」は監督の背番号としては栄光の歴史があるナンバー。巨人の「16」でも紹介しているが、川上哲治監督が「16」から「77」に変更した65年から巨人は空前絶後の黄金時代、V9に突入している。そんな巨人に中日のエースとして牙をむき、74年に先発、救援とフル回転してV10を阻んで沢村賞に輝いたのが星野だった。

 星野監督は88年、監督2年目にして中日をリーグ優勝に導き、このときは91年まで指揮を執っている。96年に中日の監督として復帰したときにも「77」を背負い、99年にリーグ優勝。2001年オフに退任すると、翌02年には阪神の監督に転じて、選手としても指導者としても中日ではないユニフォームに初めて袖を通したが、背番号は変わらず「77」だった。阪神では就任2年目の03年にリーグ優勝を果たして、オフに退任。それまで3度のリーグ優勝にチームを導いた星野監督だが、いずれも日本一には届いていない。楽天の「77」として、ふたたびグラウンドに立ったのは11年のことだった。

 一方、楽天でも「77」は一貫して指導者のナンバー。1年目からコーチが着けて、11年に背負った星野監督が4代目、監督としては第1号となる。ただ、チームの歴史は短いものの、「77」は初代から、かつての名選手が並ぶ系譜だった。

唯一の日本一


2013年、巨人を下して楽天初の日本一に輝き、胴上げされる星野監督


【楽天】背番号77の指導者
山下大輔(2005)
池山隆寛(2006〜09)
古屋英夫(2010)
星野仙一(2011〜14)

 初代の山下大輔コーチは、選手としては大洋(DeNA)ひと筋で華麗な守備を見せた名遊撃手。初めて違うチームのユニフォームを着たのが楽天だったが、1年で退任している。2代目の池山隆寛コーチも選手としてヤクルトひと筋。“ブンブン丸”と呼ばれた豪快な長距離砲で、ヤクルト時代の恩師でもある野村克也監督の就任とともに指導者としてのキャリアをスタートさせた。10年に3代目となった古屋英夫コーチは日本ハム初優勝に貢献した強打者だが、1年で退任。星野監督を待つかのように「77」は空席となる。

 星野監督としては3度目となる「77」だが、中日や阪神よりも重い「77」だったかもしれない。迎えた11年、開幕を控えた3月、東日本大震災。本拠地を置く宮城県も甚大な被害を受けて、多くの楽天ナインが被災、東北地方では隣の福島県で原発事故も発生した。楽天は4月12日に開幕を迎えてからも各地を転戦。ようやく本拠地で開幕を迎えたのは29日になってからだった。

 東北に勇気を。楽天の「77」には、そんな重責もあった。だが、その11年は5位、翌12年も4位と、2年連続Bクラス。それが13年、一気に追い風が吹く。エースの田中将大が破竹の24連勝で初優勝の立役者となり、日本シリーズでは星野監督の“宿敵”巨人を撃破して初の日本一に。そして、これが星野監督の「77」で唯一の日本一だった。

文=犬企画マンホール 写真=BBM

関連情報

関連キーワード検索

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング