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元DeNA・石川雄洋「納得するまでやりたい」 他球団オファー待つ

 

「例年より仕上がりは早い」


静岡県内で連日8時間以上の自主トレを行っている石川


 昨季限りでDeNAを退団した石川雄洋が、1月上旬から静岡県内で自主トレを行っている。現役続行を望んでいるが、まだ他球団から獲得のオファーは届いていない。退団して移籍先が決まった選手もいる中、どのような心境でトレーニングを行っているのだろうか。

「不安がゼロと言ったらウソになりますけど、そんなにないんですよね。今はすっきりした気持ちです。16年間横浜でプレーさせていただいてやり切ったと思えたし、自分でもこのまま辞めるのかなと思っていた。でも、もう一回勝負したいなって思って……。そう思った自分に驚きました。まだ燃え尽きてなかったんだなって。他球団から声がかかる可能性が低いのは自分でも分かっています。でも、自分が納得するまでやりたい。実家に帰ったときも両親に『あなたが納得するまでやったほうがいい』と言われました。背中を押されてありがたかったですね。親が一番の味方ですから」

 6勤1休のトレーニングは規則正しく進んでいく。午前6時に起床し、ランニング、ストレッチで体を動かした後に朝食を取って練習場に移動。午前中は短距離、中距離ダッシュのほか、下半身強化の自重トレーニングを10種類以上こなす。練習メニューは自主トレに同行している丸山和也トレーナーと話し合って作成している。今年から俊敏性を高めるためにアメフトのステップのトレーニングも新たに導入した。「アメフトが好きだったというのもあるんですけど、体のキレを出したいなと思って取り入れました。34歳になって若いときとは体の感覚が違ってくる。最初の一歩が速く出れば、走塁にも守備にも生きてくる」とその意図を説明する。

 午後からは地味な練習が続く。ゆっくり転がったボールを1球1球丁寧に捕球し、守備の形を意識した反復練習を繰り返す。ノックを受ける際は送球まで一連の体の動きを確認。夕方からティー、マシン打撃を行って映像を分析する。すべての練習を終えたのは午後6時前。静寂の中で毎日8時間以上の練習が続けられている。

「体の状態は万全です。昨年まではキャンプ、オープン戦、開幕から逆算して状態を上げていきましたが、所属先が決まっていない今年は違います。いつ声を掛けられても体が動くように、例年より仕上がりは早いです」と目には強い意志が宿っている。現時点では現役続行の期限は決めていないという。「抽象的になってしまいますが、自分がやり切ったと思えたところで決断します。今は自分のやるべきことをやるだけですね」。吉報は届くか――。
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