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編集部コラム「Every Day BASEBALL」

あの投げ合いをもう一度

 

2013年の日本シリーズ第6戦で、楽天の先発・田中将大に投げ勝った巨人菅野智之


 あの、投げ合いの続きが見られるかもしれない。

 1月28日、ニューヨーク・ヤンキースからフリーエージェント(FA)となっていた田中将大が古巣の楽天と2年契約での入団に基本合意したことが発表された。レギュラーシーズン24勝無敗(1S)という驚異的な成績を残し、チームを初のリーグ優勝&日本一に導いた、2013年以来の日本球界復帰となる。

 その後、ヤンキースでも14年の入団から6年連続の2ケタ勝利。新型コロナウイルス感染拡大のためにレギュラーシーズン60試合制となった昨季こそ10試合の登板で3勝にとどまってはいるが、MLB7シーズンで78勝を挙げている(日米通算177勝)。

 そんな大投手の日本復帰に、日本球界からも喜び、悲鳴、期待とさまざまな声が寄せられている。例えば小学校時代、昆陽里(こやのさと)タイガースでバッテリーを組んだ幼なじみの巨人・坂本勇人は「本当にすごいこと。日本野球界にとってすごく明るいニュース。将大の投球をまた見られることにワクワクしています」と声を弾ませ、13年の日本シリーズ以来の再戦に意欲を燃やした。

 巨人の菅野智之も再びの投げ合いを楽しみにしている1人ではないか。ルーキーだった13年の日本シリーズ第6戦(第2戦も)で投げ合い、7回2失点(自責点1)3奪三振の内容で、勝利投手に。レギュラーシーズン及びポストシーズンを通じて、この年、唯一の黒星をつけている。

 ただ、菅野は、この試合で負け投手となるものの、9回を1人で投げ抜き(160球)、翌日の第7戦では、3点リードで迎えた9回から登板する田中の姿を「信じられない」思いで見つめていたという。この試合、田中は打者5人に対して15球を投じ、無失点に抑えて日本一の胴上げ投手になるのだが、「第6戦は僕が勝ったかもしれませんが、同じピッチャーとして、まだまだ足元にも及ばないな、と思わされました」と素直な心境を吐露している。

 あれから8年。当時はまだルーキーだった菅野は、日本球界で通算101勝を記録するまでの投手に成長した。MLBでキャリアを積み上げた田中との再戦が楽しみだが、どんな投げ合いを見せてくれるのだろうか。5月25日から東京ドームで行われる巨人対楽天の交流戦(3連戦)が待ち遠しい。

文=坂本匠 写真=BBM
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