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あまりの合理化に驚き…“新様式”の選抜選考委員会

 

初のオンライン開催


新型コロナウイルスの感染症予防対策により、今年の選抜選考委員会(1月29日)は、初めてオンラインにより開催。会場は大会主催者のみで、選考委員の姿はなかった


 パソコン1台あれば、すべてが済む。分かっていたとはいえ、あまりの合理化に驚いたものである。

 第93回選抜高校野球大会の出場32校を決める選考委員会(1月29日)は、感染症予防対策により、初のオンラインで開催された。

 午前9時からの21世紀枠推薦理由説明会へ参加するには、昨年までは前日のうちに、東京から会場のある大阪へ新幹線で向かわければならなかった。今年は言うまでもなく、移動はなし。パソコンの前に座り、会議アプリに接続すると、推薦理由説明会が始まった(報道陣も取材人数を限定した形で実施)。

 9地区の理事長らが行う最終プレゼンの場である。持ち時間は3分30秒。司会者のテキパキとした動きで、選考委員による質疑応答まで、昨年までと何ら変わらない形で進行した。

 予定の10時15分を前に終了した。以降の具体的な選考(21世紀枠4校、一般選考枠28校)は、従来と変わらず報道陣には非公開。大阪の選考委員会の本部(大会主催者)と、54人の選考委員による地区別小委員会をリモートでつなぎ、議論が展開された(21世紀枠特別選考委員は14人)。つまり、昨年までは全国から大阪へ集まっていた選考委員も学校、自宅などから出席したのである。

 15時からは選考委員会総会。例年であれば、地区別小委員会を終えた選考委員が大ホールに集まってくるが、今回は大会主催者しかいない。広い会場は、すっからかんとした雰囲気。代わりに大きなモニタが設置してあり、会議アプリの模様が映し出されていた。

 21世紀枠4校、続いて一般選考枠28校の発表も、選考委員会の会場にいるかのように、スムーズに進んだ。同総会後の記者会見で、この日のスケジュールはすべて終了。大きなトラブルがなかったのも、入念な準備の賜物だろう。お見事、というほかなかった。

 新型コロナウイルスは、人と人との接触を減らすことが、感染予防の基本と言われる。取材者側としては、オンライン上で質問の場があるとはいえ、大会主催者や選考委員との顔を合わせるやり取りがなく、やや物足りなさも感じた。だが、これが「新様式」であると実感した。移動の負担もなく、デスクですべての仕事が片付いたことだけは、確かである。

文=岡本朋祐 写真=代表撮影
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