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背番号物語

【背番号物語】近鉄「#21」最後のエース岩隈が背負ったナンバー。“バファロー”とともに始まった移籍のドラマ

 

2人のメジャー・リーガー


近鉄最後の2年間、03、04年に背番号「21」を着けた岩隈


 2020年いっぱいで現役を引退した岩隈久志が、最後のチームとなった巨人で着けていた「21」。メジャーも含めて複数チームでプレーした岩隈だが、「21」と出合ったのはプロ4年目、近鉄でのことだ。ドラフト5位で2000年に入団、当初は「48」だった岩隈だが、近鉄にとって最後のVイヤーとなった01年から徐々に頭角を現して、03年に「21」を背負うと初の2ケタ15勝を挙げて大ブレーク。翌04年にも15勝で初の最多勝に輝いた。

 だが、球界再編の嵐が直撃した近鉄は、この04年シーズン限りで歴史を終える。近鉄の選手は、近鉄を吸収する形となったオリックスと、新たに誕生した楽天による分配ドラフトで振り分けられることになったが、近鉄で最後のエースであり、最後のタイトルホルダーでもある岩隈はオリックスのプロテクトを拒否。金銭トレードの形で楽天へ入団した。新天地でも「21」を背負って初代の開幕投手を務めた岩隈だが、その後はチームの絶対的な戦力不足、自身の故障や二段モーションの禁止などもあって伸び悩むも、08年には自己最多の21勝、防御率1.87で最多勝、最優秀防御率の投手2冠。11年オフに移籍したマリナーズでは「18」だったが、巨人でプロ野球に復帰して「21」に戻して、そのキャリアを終えた。「21」は、岩隈の代名詞ともいえるだろう。

 近鉄を皮切りに移籍を繰り返すことになった岩隈だが、そもそも近鉄の「21」は、移籍によって幾多のドラマを生んできたナンバーだ。岩隈の前任者は盛田幸妃。横浜から98年に移籍してきたリリーバーだが、近鉄1年目に脳腫瘍が発覚、手術とリハビリを経て、後遺症のある右足に特殊な装具を着けて99年に復帰し、01年には34試合に登板して最後のリーグ優勝に貢献、カムバック賞を贈られ、翌02年いっぱいで引退している。

 一方、その前の西村龍次は95年、開幕の直前にヤクルトから移籍してきた右腕だが、近鉄では故障や首脳陣との確執もあって活躍できず。ヤクルトでは開幕投手を任されたシーズンは優勝するという“神話”があった西村。98年にテストを受けて入団したダイエーで復活の10勝を挙げると、翌99年には開幕投手を任され、ダイエー初優勝の起爆剤となる。その翌2000年も開幕投手を務めてダイエーはリーグ連覇。続く01年も開幕投手となったがダイエーは近鉄に届かず2位、ようやく“神話”が途切れた。強気の投球で鳴らした西村だが、その前の「21」も強心臓では負けていない。最後まで優勝を争った88年に「36」でリリーバーとして最優秀救援投手に輝く大ブレークを果たした吉井理人だ。

最長の13年は異色のサイドハンド


太平洋から近鉄に移籍した75年から13年間、「21」を背負った柳田


 吉井は89年に「11」となるも、吉井が着けたかったのは「21」。この「21」は小学校、中学校、高校すべてで先輩にあたる“ケンカ投法”の東尾修が西鉄から西武にかけて一貫して背負い続けたナンバーで、迎えた90年、加藤正樹から譲ってもらって念願の「21」に。これで「11」を着けた新人が野茂英雄だった。西村とのトレードでヤクルトへ移籍した吉井も、親交のあった野茂の後を追うかのようにメジャーへ。オリックスでプロ野球へ復帰したことで、05年には結果的に“バファローズ”の一員にもなっている。

 近鉄のニックネームがバファローズとなったのは62年だが、その前の3年間はバファロー。巨人で“猛牛”と呼ばれた千葉茂監督が就任したことによるものだ。巨人で千葉の後に正二塁手となり、バファローとなった59年に移籍してきた内藤博文が着けたのも「21」。石田武男、拝藤聖雄荒井健に続く4代目で、「21」にまつわる移籍のドラマは内藤、そして“猛牛”とともに始まったと言えそうだ。

 内藤の引退で62年に前年は開幕投手だった蔦行雄が背負うも、オフに広島へ移籍、翌63年が系譜で唯一の欠番に。その翌64年から小野坂清木原義隆五十嵐英夫と投手がリレー、五十嵐は75年に「41」となり、新たに「21」を継承したのは太平洋で東尾のチームメートだった柳田豊。独特のサイドハンドは“ニャロメ投法”と呼ばれ、79年の初優勝、80年のリーグ連覇に貢献。2ケタ勝利は5度を数える。柳田の13年が「21」の系譜では最長だ。

阪神】主な背番号21の選手
内藤博文(1959〜61)
柳田豊(1975〜87)
吉井理人(1990〜95)
盛田幸妃(1998〜2002)
岩隈久志(2003〜04)

文=犬企画マンホール 写真=BBM

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