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巨人・長嶋茂雄が語る「わがホームランのベスト3」/週べ回顧1972年編

 

 3年前に創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

キャデラックのフロントガラスを粉砕した一発


巨人長嶋茂雄。これは空振りシーン



 今回は『1972年7月3日号』。定価は100円。

 前回に続き、巨人・長嶋茂雄の記事からだ。
「ホームランは僕の特許じゃない。ワンちゃん(王貞治)のだ」
 という長嶋だが、400本塁打まで、あと3本。もちろん、印象に残るホームランもあるはずだ。
 その問いに、
「それはある」
 と答えた長嶋にベスト3を尋ねた。
 1本目は国鉄・金田正一からの1号。
「入団の年、カネさんからの1号。プロ1号じゃなかったけど、球界最高の投手から、しかも開幕のとき4三振を食らわされて、さんざんな目にあった相手だけに、胸がスーッとした。忘れられない手応えでした」
 2本目も新人年の58年から。
「(9月19日)ベースを踏まずにアウトになったやつかな。え? アウトなら400本に入らない? そうかそうか」
 そして3本目は、ご存じ59年6月25日の天覧試合(対阪神、後楽園)。
「これはもう、なんといっても僕のベストワン。一生涯忘れられない感激でしょうね」

 さらに2本目が無効? だったこともあってか、もう1本を披露してくれた。
「いつごろだったか覚えてないけど、あれはキャデラックなんて外車はまだ日本では珍しいと言われたころだから、かなり昔だ。
 後楽園の場外へ特大のヤツをたたき出したことがあった。もちろん、スタンドもまだ二階席なんてなかったころで、向こうが駐車場でね。止めてあったお客さんのキャデラックのフロントガラスをまともに割っちゃった。
 弁償は誰が払うかなんて話題になったな。どうなったかおぼえてないところをみると、僕が払ったんじゃないことだけは確かだ。あれどうしたのかな。うふふ」
 過ぎ去ったものは振り向かない主義のミスター。あまり記憶は定かではないようだ。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM

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