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中日でもっとも長く背番号18を着けた右腕は?

 



 今年の中日で昨年の背番号から変わった選手は2人いる(移籍、新外国人、育成は除く)。マルクと梅津晃大だ。ともに投手。マルクは82から53、梅津は28から18の変更となり、2021年シーズンへ挑む。

 梅津はプロで18番を背負うのが夢だった。西武時代から18を着けて投げる松坂大輔にあこがれた。梅津が入団した2019年は、松坂の中日移籍2年目。松坂は前年の99から慣れ親しんだ18を着け、ルーキーの梅津には28が与えられた。

 しかし松坂は19年限りで退団。18は空いた。梅津はすぐに立候補したようだが、願いがかなわず、昨年は空き番号となった。

 球界のエースナンバーは18だが、中日のそれが20というのは誰もが知る事実。近年、その伝統は薄れたが、かつては杉下茂権藤博が背負い、星野仙一は22から、小松辰雄は34から20を着け、チームのエースとして光り輝いた。

 その20は17年の野村亮介を最後に空き番号となっている。さらに18も空きが続いてはいかにも……と球団も考えたかもしれない。梅津の希望を聞き入れ、3年目の期待の右腕に18を託したというわけだ。

 ちなみに中日の18をもっとも長く着けていた選手は誰か。答えは鹿島忠だ。鹿児島実業高から社会人の鹿児島鉄道管理局へ進み、83年ドラフト1位で入団。主に中継ぎとして活躍したタフネス右腕で、引退する96年まで14年間も背負い続けた。

 オールドファンなら稲葉光雄を思い出すかもしれない。落差の大きいカーブを武器に72年には20勝を達成。入団した71年から76年まで背負い、そこで阪急へトレード。稲葉のあとは阪急から来た戸田善紀が82年まで着け、鹿島の手に渡ったのだった。

 梅津は現在24歳。鹿島の14年を抜くには40歳近くまで頑張らなければならない。簡単ではないが、決して不可能でもないはずだ。あこがれの18を着けることができたのだから、長く活躍してもらいたい。

写真=BBM
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