週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

「球の強さ、質は上がっている」復活できるか? 斎藤佑樹が投球フォーム修正、1日200球

 

保存療法で早期回復へ


復活へ少しずつ歩を進める斎藤


 周囲のどよめきを背に、ブルペンに足を踏み入れた。2月1日、沖縄・国頭での春季キャンプ初日。日本ハム斎藤佑樹は、チーム一番乗りでキャッチボールを始めた。時折、笑顔を見せながら、小気味よくブルペン捕手のミットを鳴らした。「平らなところとブルペンでは、だいぶ体への負担も感覚も違う」。2度の小休憩を入れ、球数は200球に到達。終盤は、気迫が声となって漏れた。

 昨年10月に右ヒジ靱帯の断裂が判明。再建手術(トミー・ジョン手術)なら確実に1年を棒に振ると見込み、早期回復を最優先に、保存療法を選択した。ブルペンでの投球は1月上旬から続けてきたリハビリメニューの1つ。球数や力感を調整しながら患部に一定の負荷をかけ、靱帯の再生力を高める狙いがある。「(靱帯は)つながりかけている状態。ヒジ以外の体全体を、ヒジが治ったときに出遅れないように。このキャンプでメーンの練習としてやっていきたいと思います」と説明した。

 ブルペンを見守った木田優夫二軍総合兼投手コーチは「超回復ですね。球の強さ、質は上がっている」と順調な姿に目を細めた。斎藤は2012年に右肩関節唇を損傷。肩、ヒジと故障に苦しんできたことを踏まえ、現在は投球フォームの修正にも着手している。斎藤は「確実にフォームに欠陥があった。力をうまく伝えられていない部分がある」。ブルペンではフォームのバランスを確認しながら、復活に向けて歩みを進めている。

 試練とともに、プロ11年目の幕が開けた。昨シーズンはプロ入り後、初めて一軍登板なしに終わった。故障の影響もあるが「それを言い訳にできない部分もある」と言い切った。ここまでの不甲斐なさを晴らすために、わずかな可能性でも、今季中の復帰に懸けた。「1日でも早くヒジが良くなって、ファイターズの戦力としてスタートできるように」。斎藤の目は、前だけを見つめている。

写真=高原由佳
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング