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週べ60周年記念

大洋・平松政次が巨人・長嶋茂雄との対決に燃える理由/週べ回顧1972年編

 

 3年前に創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

高校時代に長嶋に会いにいった


大洋・平松政次



 今回は『1972年7月10日号』。定価は100円。

 1970年25勝、71年17勝で2年連続最多勝となっていた大洋・平松政次だが、この年は5月末までに3勝6敗と出遅れ。6月に入り、抑えに回って、ようやく復調気配となっていた。

 この号では歌手の水沢夕子さんとの対談が掲載されていたが、その中で平松が少年時代から大ファンだった長嶋茂雄の話を抜粋しよう。

 少年時代から長嶋ファンだった平松は、高校時代、岡山に遠征で来た長嶋に面会したのが初対面だったという。
「体がすくみました。あのとき長嶋さんに『平松って君か。ジャイアンツはいいぞ。ジャイアンツに来いよ』って言われたんです。あのときはうれしかったなあ。夢のような気持ちだったなあ」
 ただし、対決では「打たれてもいい」と思うわけではない、むしろ逆だ。
「ジャイアンツとかセントラルと言えばONですよね。で、王(貞治)さんは別に、ふつうの打者みたいに対しているんですけど、長嶋さんには打たれたくないんですよ。
 というのはあとあと、あの人が監督になったとしますよね。そのときにああ、四十何年ごろは大洋の平松によくやられたなあと。そういうイメージを残してほしいと思うから、僕、絶対打たさないんです。
 好きだからやっぱり。あとあとまであの人が、平松は俺も絶対打てなかったということを思い出してくれれば、それだけでも僕は満足なんです。王さんと対するときとはもう、全然違いますよ」
 これはもう、LIKEではなく、LOVE。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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