週刊ベースボールONLINE

川口和久WEBコラム

投手の“栄誉”で例年と違う点は…今年は開幕投手が2度ある?/川口和久WEBコラム

 

開幕投手の発表、早過ぎない?



 最近、開幕投手の発表が早い印象がある。
 日本ハム上沢直之のように、キャンプ中に開幕投手を正式発表したチームもあったが、個人的には「ちょっと早くない?」だ。
 今は予告先発だから隠せとは言わないけど、巨人の菅野智之みたいに昨年圧倒的な実績を積み、故障さえなければ、という絶対的なエースならともかく、キャンプでは本人だけに内定を出すくらいでいいんじゃないかな。
 イベント化し、開幕の1週前くらいに記者会見を開いて、全球団一斉に、というのも盛り上がるかもしれないね。

 昔ほど選手がこだわっていない気もするが、開幕投手はプロ野球の投手なら誰もがあこがれる勲章だ。143分の1に過ぎないという人もいるが、勝つか負けるかでスタートダッシュの勢いは確実に変わってくる。
 
 決め方としては2つあるだろう。そのチームの圧倒的なエース、あるいは前後のカードを見据えて。俺自身、現役時代の開幕投手は1度だけだったが、これは絶対的エースと認められたからではなく、相手が得意の巨人だったからだと思う。
 中日がエース、大野雄大で発表していないのも、その後のカード、本拠地バンテリンドームでの初戦、対巨人に投げさせるため、と言われている。
 
 今回の開幕投手が例年と違うのは、1つはたぶん外国人投手が誰もいないこと。これは野手もだけど、緊急事態宣言も延期されそうだし、現時点でコロナ禍で来日してない選手は、開幕に間に合わない可能性が高い。

 もう1つは、開幕投手が、この後、もう1回あることだ。
 つまり後期の開幕。今年は7月14日の後、オールスターはあるにしても、8月13日まで長いオリンピックブレークがある。1カ月間が空くんだから、前後期、あるいは第1シーズン、第2シーズンと名付けてもいいくらいじゃないかな。

 ブレークも見越し、第1シーズンでは、当然、各球団、思い切って開幕から投手を大胆につぎ込んでいくと思うが、外国人頼み、特に新外国人投手頼みになっているチームは、かなり苦戦するはずだ。来日してからも日本のクイック、ストライクゾーン、バント処理など、やらなきゃいけないこと、慣れなきゃいけないことはたくさんあるからね。

 こうなってくると、厳しい前半戦を戦い抜き、8月13日のマウンドに立つ者こそ、今年の真の開幕投手と言えるのかもしれないね。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング