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原監督も効果を実感。「指導者のエースになりたい」巨人投手陣に進化の種をまく桑田真澄コーチ

 

戸郷も「ありがたい指導です」


初めてプロを指導する桑田コーチだが、違和感はまったくない


 外から野球を学んでいた“求道者”が、プロ野球の現場に戻ってきた。15年ぶりに巨人のユニフォームを着た桑田真澄投手チーフコーチ補佐は、春季キャンプから早速チームに新風を吹き込んだ。

 現役引退後は東大大学院の特任研究員として科学的に野球を研究した知性派だが、キャンプ開始時に投手陣に説いたのは、原点ともいえる投球練習の重要性だった。

「ランニング、ウエート・トレーニングをやっても、マウンドから投げないと生かされない。体のパーツごとに鍛えたものを、どうやって協調させて力をボールに伝えるか。その作業はピッチング(投球練習)でしかできない」

 まず投手陣に与えたのが1カ月間での投球数の指標だった。先発投手には「中6日なら135球で完投を目指してほしい。キャンプでは1000球くらい投げ込みが必要」と指標を与え、リリーフは750球以上、クローザーは600球以上の目安を設定。連日、ブルペンはにぎわい、捕手不足で相川亮二バッテリーコーチもブルペン捕手を務めたほどだった。

 ブルペンでは投手の一人ひとりに丁寧に助言を送る姿も目立った。特に、「一番厳しくする」と語った昨季9勝の戸郷翔征には「投球練習でいい球がいったら2、3球続けなさい」「基本である外角の直球の軌道を意識しなさい」など多くの助言を送り、20歳右腕も「頭がパンパンになったけど、考える投球ができた。ありがたい指導です」と感謝した。

 エースの菅野も背番号18の先輩が現役時代に得意としていたカーブの指導を請い、キャンプを通じて重点的に精度を磨いた。桜井俊貴畠世周、ドラフト1位ルーキーの平内龍太らは、登板ごとに桑田コーチ補佐からの教えの効果を口にした。

“桑田効果”について原辰徳監督は「これからさらに感じてくると思う。本人も最初は多少の戸惑いはあったかもしれないが、選手とコミュニケーションを取りながら自信を持ってやっている。宮本(宮本和知)チーフコーチと桑田真澄はいい意味でタイプが違い、投手陣は非常に勉強しやすいのでは」と実感した。

「指導者のエースになりたい」と抱負を語った桑田コーチ補佐が、投手陣に進化の種をまいている。

写真=BBM
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