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背番号物語

【背番号物語】ヤクルト「#36」池山隆寛のオープニングとフィナーレを飾った番号は廣岡大志のトレードで空席に

 

21世紀には「5」の首位打者も輩出


ヤクルトの背番号「36」と言えば池山だ


 ヤクルトの「34」については紹介したばかりだが、新たな後継者となった左腕の田口麗斗との交換で巨人へ移籍した遊撃手の廣岡大志が背負っていた「36」が空席となった。2016年に入団し、なかなか打撃では芽が出なかった廣岡だが、このヤクルトの「36」は遊撃手、それも守備だけでなく強打を兼ね備えた長距離砲を象徴するナンバーだった。現在は二軍監督として「88」を着けている池山隆寛については、同じくヤクルトの「1」でも触れたが、池山の現役時代と同じ時間を過ごしたファンの中には、池山には「1」よりも「36」の印象が強いという向きも少なくない気がする。

 池山はドラフト2位で1984年に入団して「36」を背負うと、低迷期ながら雰囲気だけは明るかった(?)ヤクルトで着実に出場機会を増やし、同時に人気を集めていった。87年には遊撃のレギュラーに定着、翌88年から5年連続でシーズン30本塁打を突破。本塁打王はならなかったが、この5年で3度の“三振王”に。31本塁打を放った90年には打率.303の安定感も見せたが、体をねじ切るようなフルスイングが池山の持ち味。本塁打か、三振か。はらむ豪快さと危うさは池山ならではの魅力でもあり、“ブンブン丸”と呼ばれてファンに愛された。

 豪快な打撃からは想像しにくいが、遊撃守備も一流。持ち前の強肩に瞬発力も兼ね備え、堅実かつ華麗だった。チームが14年ぶりリーグ優勝に輝いた92年から99年までの背番号が「1」だ。だが、93年からは故障との闘いも始まり、その後は宮本慎也の台頭によりポジションも三塁に回る。2001年に「1」を岩村明憲に譲り、自らは原点の「36」に戻して、02年オフにバットを置いた。

川端もプロ入りから6年間、「36」を着けていた


 一方、「36」は池山が「1」に変更した92年は欠番となり、翌93年に継承したのは同じ内野手の住友健人。池山と同じくドラフト2位での入団だったが、7年目の99年に一軍デビューも、そのオフに引退した。また、池山の引退によっては3年間の欠番になっている。2006年に継承したのは現役の川端慎吾だ。やはりレギュラーに定着するのには時間を要したものの、6年目の11年に初めて規定打席に到達。このときは遊撃手だった。翌12年からは現在の「5」となり、ポジションも三塁に回るが、打っては15年に195安打、打率.336で最多安打、首位打者のタイトルを獲得。ここ数年は故障に苦しめられたが、迎えた21年の復活に懸ける。

 一方、川端から「36」を継承したのはドラフト1位で12年に入団した内野手の川上竜平だったが、一軍出場のないまま廣岡が入団した16年に「69」となり、そのままオフに現役を引退している。
 

国鉄ではノーヒッターの若手時代も


 ヤクルトの「36」を着けた期間の最長も池山の11年だ。わずかに1年だけ届かないのが、1971年から80年まで背負った内野手の渡辺進。プロ2年目の72年から一軍を経験するも、なかなか定着はならず、それでも10年目の80年に87試合の出場ながら13本塁打を放つと、翌81年には「7」に“出世”して、二塁のレギュラーに定着した。その後は三塁、一塁と定位置を変えてレギュラーを張り続け、83年には自己最多の19本塁打を放っている。

「1」の池山、「5」の川端、「7」の渡辺と、内野手の出世ナンバーといえるヤクルトの「36」だが、チームが国鉄としてプロ野球に参加した50年から存在した背番号で、当初は投手の系譜だった。「36」の選手として初めて一軍に出場したのも投手で、2代目で右腕の大脇照夫だ。1年目の52年から「36」を背負って44試合にフル回転。黒星を先行させながらも戦力不足に苦しむチームを支え続けて、通算7年で2ケタ勝利は1度もないが、「10」に変更して2年目の56年にはノーヒットノーランを達成している。

 投手では57年に4代目となった右腕の島谷勇雄が一貫して背負い続けた7年間が最長。67年には新人で右腕の浅野啓司が6代目となり、1年目から50試合に投げまくってオフには「19」に変更する。翌68年に「36」を継承したのが南海(現在のソフトバンク)から移籍してきて3年目の無徒史郎。2年で引退したが、この無徒が「36」で最初の内野手だった。

【ヤクルト】主な背番号36の選手
大脇照夫(1952〜54)
渡辺進(1971〜80)
池山隆寛(1984〜91、2000〜02)
川端慎吾(2006〜11)
廣岡大志(2016〜20)

文=犬企画マンホール 写真=BBM

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