福岡ソフトバンクホークス
今季も8回のL.
モイネロ、9回の
森唯斗は、よほどのアクシデントがない限り揺るがないであろう。ともにシーズン50試合以上に登板して防御率1点前後の鉄腕2人へのつなぎ役も固定できたらこれほど頼もしいことはないが、
高橋礼の先発再転向などもあり、現状は不透明だ。7回の有力候補だった
岩嵜翔が3月5日の登板翌日、病院で検査を受けたのも気になるところ。違和感が訴えた右ヒジに異常は見られず、7日にはランニングメニューなどをこなしてはいるものの、過去に2度の手術を受けている右腕だけに不安がないとは言えない。となると、待たれるのは若手の台頭。期待したいのは、昨季一軍でシーズンを完走し、40試合に登板した泉圭輔だ。昨季の経験を糧に安定感を高め、ポジションをつかみたい。
千葉ロッテマリーンズ
澤村拓一がFAでメジャー移籍も心配はない。ドラフト4位ルーキーで、192センチの長身右腕・
河村説人、威力ある直球を投じる
小野郁や東條大貴、
フローレスも控えてコマはそろう、その中で、勝ち継投は7回・
唐川侑己、8回・
ハーマン、9回・益田直也が基本となるだろう。ただ、チームは原則2連投まで。僅差の試合が続けば、昨季と同様に“勝ち継投”の投手にこだわらないはずだ。
井口資仁監督も「昨年は7、8、9回がしっかりしたことで、戦い方も安定した。先発が早く降板しても5、6回を投げる投手がいたしことで、厚みが生まれ『3連投をさせない』というのを1年間できたのは、そういう厚みがあったから」と話しており、今季も連戦の疲労を考慮しつつ盤石な救援陣の形成を目指していく。
埼玉西武ライオンズ
オープン戦で先発候補が不安定なピッチングを見せているだけに、今季もリリーフ陣が踏ん張らなければ勝利をつかめない。昨季当初は
ギャレット、平良海馬、
増田達至、そしてシーズン途中からギャレットの代わりに
森脇亮介が務めた勝利の方程式。今季も7回・森脇−8回・平良−9回・増田のリレーがベストなのは間違いない。ただ、気がかりなのは森脇。いまだ対外試合での登板がないのだ。昨季、リーグタイの54試合に登板した平良と史上3人目の無敗でセーブ王に輝いた増田は今季も力強い球を見せている。開幕までに“7回の男”をしっかりと固めたい。
東北楽天ゴールデンイーグルス
アンダースローの牧田和久、150キロ超の速球で押す
ブセニッツ、そして今季から再びクローザーに復帰するサウスポーの
松井裕樹。タイプの異なる3投手が万全ならば、昨季はなかなか実現しなかった小差での逃げ切りも可能になるはずだ。昨季は松井が先発に転向したことでブルペンが手薄となり、登板過多にも悩まされた。牧田は今年37歳を迎えるベテランであり、コンディショニングがより重要となる。
酒居知史や
安樂智大など、昨季リリーフとして登板を重ねた若手らが脇を固め、負担を分散させながら長いシーズンを乗り切ることが必要だ。
北海道日本ハムファイターズ
昨季は実績あるリリーフ陣の機能不全がチーム低迷につながった。2年連続Bクラスからの巻き返しには勝利の方程式の再構築が急務だ。13年連続50試合登板を誇り、通算800試合登板、通算400ホールドの記録達成目前の鉄腕・
宮西尚生がブルペンリーダーに君臨するセットアッパーは盤石。
堀瑞輝、
福田俊と後継左腕も育っている。右の中継ぎエース・
玉井大翔は昨年12月に右ヒジ手術を受けたが、順調な回復ぶりで実戦復帰も間近。昨季、固定できなかった抑えには杉浦稔大が抜てきされた。3月3日、西武とのオープン戦では9回、3者連続空振り三振に仕留めた。直球はMAX152キロを計時。浮き上がる快速球を武器に気迫あふれる投球を見せる新守護神に期待は高まる。
オリックス・バファローズ
いまだ形は見えてこない。昨季まで抑えを務めた
ディクソンは先発に再転向、さらに未来日とあってクローザは不在。今季の候補に挙がっていた
ヒギンスは新型コロナに感染して調整が遅れている。さらに4年ぶりに復帰した平野佳寿はファームで調整を続けている。ただ、候補者は多数。右腕ではトミー・ジョン手術から復帰した
黒木優太、昨季35試合に登板した
吉田凌、育成出身の
漆原大晟、左腕では
山田修義、
富山凌雅と頭数はそろっており、パターンを固めずに状態に応じて使い分ける可能性もある。開幕時点での勝ち継投は、これからのオープン戦での内容を見て決めることになりそうだ。
写真=BBM