週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

巨人・斎藤雅樹は6度! 90年代の開幕投手といえば…最多起用は誰?

 

 2010年以降の開幕投手を見ると、やはり6度指名された巨人菅野智之の名前が目立つ。ほかには、阪神ランディ・メッセンジャーヤクルト石川雅規オリックス金子千尋(現弌大、日本ハム)あたりが開幕投手の常連だった。では、今から約30年前、1990年代の開幕投手といえば、皆さんは誰を思い浮かべるだろうか?

セ・リーグは巨人の斎藤雅樹がおなじみの開幕投手


巨人・斎藤雅樹


 1990年代のセ・リーグの開幕投手といえば、やはり巨人の斎藤雅樹を思い浮かべる人が多いだろう。1990年に初めて開幕投手に選ばれた斎藤は、その後1993年から5年連続で開幕戦で投げることになる。開幕6試合で4度勝利(1試合は勝敗つかず)と、開幕戦での強さも目立った。

 また、巨人とリーグの覇権を争った中日は、エース・今中慎二が開幕投手を任されることが多かった。開幕投手になった4年間はいずれも2ケタ勝利を記録。17勝を挙げた1993年には沢村賞にも選ばれている。

 1991年にリーグ優勝した広島は、1990年代半ばになると先発投手の世代交代が加速。佐々岡真司紀藤真琴が台頭した。しかし、開幕投手は北別府学大野豊などベテランが指名されることが多く、1998年には大野が42歳で史上最年長開幕投手になっている。

 エース格の選手はいるものの、開幕投手がころころ変わったのが横浜。1993年に17勝した野村弘樹斎藤隆などエース格はいたが、開幕投手は常にサバイバルの状況だった。期待の若手の有働克也やストッパーから先発転向した盛田幸希が起用されたこともあったが、成績は芳しくなかった。

 外国人投手の起用が目立ったのはヤクルトで、1997年、1998年と2年連続でテリー・ブロスが開幕投手になっている。ほかには、ギャオスの愛称でおなじみの内藤尚行や、若手のホープだった西村龍次が開幕投手に2度起用されている。

 1990年代の阪神は開幕戦に勝利したのが1990年の1回のみ。あとは全敗。湯舟敏郎藪恵壹と当時の先発の柱が共に3度開幕投手になっているが勝つことはできなかった。この時期の阪神を象徴するような厳しい成績になっている。

1990〜1999年までのセ・リーグ開幕投手


●巨人
1990年 斎藤雅樹
1991年 槙原寛己
1992年 槙原寛己
1993年 斎藤雅樹
1994年 斎藤雅樹
1995年 斎藤雅樹
1996年 斎藤雅樹
1997年 斎藤雅樹
1998年 桑田真澄
1999年 バルビーノ・ガルベス

●阪神
1990年 中西清起
1991年 野田浩司
1992年 葛西稔
1993年 仲田幸司
1994年 湯舟敏郎
1995年 湯舟敏郎
1996年 藪恵壹
1997年 川尻哲郎
1998年 藪恵壹
1999年 藪恵壹

●中日
1990年 西本聖
1991年 小松辰雄
1992年 郭源治
1993年 今中慎二
1994年 今中慎二
1995年 今中慎二
1996年 今中慎二
1997年 山本昌
1998年 山本昌
1999年 川上憲伸

●横浜(1992年までは大洋)
1990年 中山裕章
1991年 中山裕章
1992年 野村弘樹
1993年 有働克也
1994年 有働克也
1995年 野村弘樹
1996年 盛田幸希
1997年 盛田幸希
1998年 川村丈夫
1999年 三浦大輔

●広島
1990年 大野豊
1991年 長冨浩志
1992年 川口和久
1993年 北別府学
1994年 北別府学
1995年 佐々岡真司
1996年 大野豊
1997年 山内泰幸
1998年 大野豊
1999年 ネイサン・ミンチー

●ヤクルト
1990年 内藤尚行
1991年 内藤尚行
1992年 西村龍次
1993年 西村龍次
1994年 川崎憲次郎
1995年 岡林洋一
1996年 テリー・ブロス
1997年 テリー・ブロス
1998年 石井一久
1999年 石井一久

1990年代に最も多く開幕投手となったのは星野


オリックス・星野伸之


 現在は常勝軍団といえるソフトバンクだが、ダイエー時代の1990年代はBクラスから抜け出せないシーズンが続いていた。この時期の開幕投手といえば、3年連続で大役を務めたエースの村田勝喜だ。その村田は1993年オフにトレードで西武に移籍。その後は、村田とのトレードで西武から加入した工藤公康が新たな開幕の顔となっていった。

 ダイエーとは反対に常にリーグの頂点を争っていた西武は、エースの渡辺久信が開幕投手になることが多かった。渡辺の成績が下降してからは郭泰源が2年連続で開幕投手となり、1990年代後半は新たに台頭してきた西口文也が3年連続で開幕投手を務めている。

 当時西武と優勝争いを繰り広げることが多かった近鉄は、阿波野秀幸野茂英雄というエースがそれぞれ2度開幕投手となった。特に1994年の野茂は、強打の西武打線を相手に4回までに10三振を奪うなど8回までノーヒットノーランと圧巻の投球を披露。リリーフの失点で負けはしたが、球界No.1の実力を見せつけた。

 ロッテ、日本ハム、オリックスは、「このチームの開幕投手といえばこの選手」という押しも押されもせぬ大エースが存在したチーム。まずロッテは小宮山悟だ。精密機械と称されるコントロールで相手を打ち取る小宮山は、1990年代は6度の開幕投手を経験。日本ハムはエースの西崎幸広が小宮山と同じく6度開幕投手に指名されている。オリックスは星野伸之が1990年代では最多の7度、開幕投手を経験。独特な投球フォームと130キロ台の直球、100キロを割るスローカーブを武器に相手打線を翻弄した軟投の大エースだ。

1990〜1999年までのパ・リーグ開幕投手


●ダイエー
1990年 藤本修二
1991年 村田勝喜
1992年 村田勝喜
1993年 村田勝喜
1994年 吉田豊彦
1995年 工藤公康
1996年 工藤公康
1997年 武田一浩
1998年 工藤公康
1999年 西村龍次

●ロッテ
1990年 村田兆治
1991年 小宮山悟
1992年 小宮山悟
1993年 小宮山悟
1994年 小宮山悟
1995年 伊良部秀輝
1996年 園川一美
1997年 小宮山悟
1998年 小宮山悟
1999年 黒木知宏

●西武
1990年 渡辺久信
1991年 渡辺久信
1992年 工藤公康
1993年 渡辺久信
1994年 郭泰源
1995年 郭泰源
1996年 新谷博
1997年 西口文也
1998年 西口文也
1999年 西口文也

●日本ハム
1990年 西崎幸広
1991年 西崎幸広
1992年 柴田保光
1993年 西崎幸広
1994年 西崎幸広
1995年 西崎幸広
1996年 岩本勉
1997年 西崎幸広
1998年 岩本勉
1999年 岩本勉(この年から登録名を岩本ツトムに変更)

●オリックス
1990年 星野伸之
1991年 佐藤義則
1992年 星野伸之
1993年 星野伸之
1994年 星野伸之
1995年 佐藤義則
1996年 星野伸之
1997年 星野伸之
1998年 星野伸之
1999年 小林宏

●近鉄
1990年 阿波野秀幸
1991年 阿波野秀幸
1992年 小野和義
1993年 野茂英雄
1994年 野茂英雄
1995年 山崎慎太郎
1996年 高村祐
1997年 高村祐
1998年 高村祐
1999年 岡本晃

 現在は監督やコーチになっている選手が躍動した1990年代の開幕投手を紹介した。「懐かしい」と感じる名前も多く挙がっていたのではないだろうか。たまにはこうして昔の思い出に浸ってみてはいかがだろうか。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング