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新たな“育成の星は”? 山下航汰、本前郁也 早期の支配下昇格が期待できる育成選手たち

 


 1年間を戦い抜くに当たり、新戦力の台頭は必要不可欠だ。特に昨今は、育成からいかに活躍する選手を輩出できるかがカギとなっており、ソフトバンクのように育成出身選手が多く活躍しているチームはシンプルに強い。今季も魅力的な育成選手が各チームにそろっているが、この中から「早期の支配下登録」が期待できる選手をピックアップしてみた。

オープン戦での起用に注目したい選手



 今最も支配下登録が近いといわれているのが、2020年育成ドラフト1位で入団したロッテの本前郁也だ。1年目の昨季はイースタン・リーグで11試合に登板して2勝0敗、防御率2.56と好結果を残した。飛躍が期待される今季は、育成選手ながら一軍で春季キャンプをスタート。練習試合でもソフトバンク相手に3イニングを無失点に抑えた。オープン戦は3月11日の楽天戦(静岡)に登板。ここでも3回を投げて被安打1本、失点なしと見事な投球を披露した。鋭く伸びるストレートが武器で、変化球も特にスライダーが魅力。開幕前に支配下登録される可能性は高い。

 巨人は早くも八百板卓丸が育成から支配下登録を勝ち取ったが、ほかにも早々に支配下登録されそうな選手がいる。例えば山下航汰だ。育成で入団し、2019年に一度支配下登録されたが、2020年はケガの影響でシーズンを棒に振った。昨オフに治療に専念するために再び育成からの出発となったが、1年目にファーム首位打者を獲得するなど屈指の才能を持っている。今季は教育リーグで5打数4安打と活躍しており、育成ながらすでに一軍にも合流。オープン戦ではまだ結果を出せていないが、ここを乗り越えれば早期の支配下登録も近い。

巨人・直江大輔


 粒ぞろいの巨人の育成選手だが、期待が大きいのが直江大輔だ。山下と同様に、ヘルニアの治療に専念するために育成から再出発となったが、2月24日には手術後初のシート打撃に登板。打者7人を無安打に抑え込む好投を見せた。故障箇所が腰ということもあり、実戦復帰は慎重に進められるだろうが、仕上がり次第では早々に支配下登録される可能性もある。原監督が「新人王を取らせる」とコメントしているように、今季注目すべき若手選手の一人だ。

 巨人と並んで魅力的な育成選手が多いソフトバンクは、大関友久に注目したい。2020年育成ドラフト2位指名で入団した大関は、1年目の昨季は二軍で5試合無失点と好投。三軍の試合では23試合で防御率3.98と将来性を感じさせた。2年目の今季はB組でキャンプインとなったが、紅白戦で起用されると2イニング無失点、3月3日のオープン戦(PayPayドーム)でも1回を無失点に抑えた。しかし、10日の巨人戦(PayPayドーム)で初失点すると、12日のヤクルト戦(神宮)では3失点。まだ課題は多いが、楽しみな存在だ。


 オリックスの2020年育成ドラフト3位入団・中田惟斗もオープン戦で結果を残している一人。昨季は二軍で21試合に登板して1勝2敗3セーブ、防御率4.09と上々の成績だった。昨季二軍監督だった中嶋聡監督からの期待も大きく、今季は一軍スタートを勝ち取った。オープン戦では3月7日のDeNA戦(横浜)で一軍デビューを経験。1イニングの登板だったが、打者3人を完璧に抑えた。初登板の評価も高く、順調なら早期の支配下登録もあるだろう。

 自由契約を経て育成での再出発となった選手は、すでに一軍経験が豊富な選手も少なくない。例えば阪神鈴木翔太(元中日)や、ヤクルトの近藤弘樹(元楽天)はチームの期待も大きく、育成ながら一軍スタート。近藤はすでにオープン戦3試合で起用されており、3回を投げていまだ無失点。最下位からの脱出を目指すヤクルトにとって欠かせない存在になるかもしれない。

 「早期の支配下登録が期待できる育成選手」をピックアップしてみた。こうした育成から勢いのある選手が登場すると、ポジション争いが加速し、チーム力のアップにつながる。果たして新たな「育成の星」となる選手は誰なのか、今回挙げた選手の今後に注目したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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