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センバツ2021

コロナ禍の甲子園。スタンド目線では何が変わった?/センバツ2021

 

感染予防対策の呼び掛け


甲子園のスタンド内には、感染予防対策を促す係員が各所に配置されている


 春のセンバツは、スタンド目線で何が変わったか?

 観衆は上限1万人(学校応援限定で入場できるアルプス席は各校上限1000人)。甲子園球場正面のチケット売場では、当日券の販売はないとの表示と、同様のアナウンスが繰り返し流れていた。

 スタンドで目につくのが原則、球場係員が二人一組で「マスク着用のお願い 飲食時は会話をお控え下さい」と、注意喚起のボードを首からぶら下げて歩いている。通路入り口などに配置されている案内係も同様、感染予防対策を呼び掛けている。

 売り子の姿はほとんど見られない。商品名が書かれたボードを掲げるのみで、発声は一切なし。売り子が少ない理由は、アルコールの販売をしていないからだ。過去の大会を振り替えれば、いかに、ビールの売り子が多かったのだと思わせる。アルコールは持ち込みも控えるようにと、イニングの合間にはビジョンで流されていた。

 5回終了時はグラウンド整備。一昨年まではすぐに、大会歌『今ありて』が流れるが、その前に場内アナウンスでこまめな手洗い、消毒、ソーシャルディスタンスのお願い。また、タオル回し、声を出しての声援、立ち上がってのハイタッチを規制。従来の注意喚起はファウルボール(打球の行方)、スタンド内の禁煙、指定された場所での喫煙の指示が主であったから、その光景も大きく変わった。

 大会前には出場32校のチーム関係者と大会関係者1057人を対象としたPCR検査を実施。3月16日までに全員が陰性であったことが発表された。常日ごろからの感染予防対策の成果である。

 今センバツは「有観客試合」により、選手のボルテージは上がり、よりスリリングなゲームが展開。全席指定であるネット裏席、内野席、外野席も整然とマナーを守った観戦が実施されている。主催者は部員たちの健康を最優先に考え、安全、安心な大会運営を目指している。そこには、学校関係者が観戦するアルプス席のほか、一般入場者の協力なくして、大会の成功はないのだ。

文=岡本朋祐 写真=牛島寿人
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