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センバツ2021

具志川商、八戸西は雨天順延を最大限に有効活用。仕切り直しは好ゲームの期待/センバツ2021

 

練習途中に「中止」の知らせ


大会第3日目(3月21日)は雨天により、22日に順延された。今後の日程も1日ずつ延びるため、決勝は4月1日に予定される


 恵みの雨、である。

 センバツ高校野球の3日目は雨の影響により、中止となった。大会本部は午前7時30分の時点で、開始時間(9時)を遅らせるとしていたが、8時40分に中止を発表した。一度は試合開催へ向けて動いていたわけではあるが、出場校にはどのような影響があったのか。

 第1試合に組まれていた具志川商(沖縄)と八戸西(青森)は、21世紀枠校同士の一戦。両校は8時から10時30分まで、甲子園球場内の室内練習場で調整した。つまり、練習途中に「中止」の知らせを受けたのである。

 両チームとも春、夏を通じて初の甲子園出場。今年はコロナ禍の大会運営により、開幕前の甲子園練習が行えず、3月19日の開会式も簡素化されため、初日に組まれた6校のみの参加により、入場行進ができなかった。この日、初めて、甲子園球場に足を踏み入れ、絶好の「予行練習」となったようだった。

 具志川商・喜舎場正太監督は前向きにとらえた。

「モチベーションは上がる一方。何も分からないで入るよりは、明日も同じタイムスケジュールで入れる。良い形で汗を流せまして、今日よりも良い形で(試合に)入れる」

 新チーム結成以降、県新人大会や九州大会を通じて中止経験があり、順延の際の動きはチーム内で共有されており、慌てることはなかった。また、試合前、甲子園球場内の室内練習場で行われる調整についても「狭い場所でのウオーミングアップもイメージどおり」と、沖縄で準備してきたことが実践できたという。

 すべては「想定内」であり「何もかもが初めて。新鮮だった。選手たちは少しだけグラウンドを見ると、目の色が変わった。ウチのチームらしく、明日も同じような流れで、何も変えずに試合に臨んでいきたい」と語った。

 一方、八戸西・宮崎一綺主将(3年)もすがすがしい表情が印象的だった。

「中止になって、マイナスにとらえる人は誰一人としていない。一から練習することができて、プラスにとらえている。何人か緊張している選手がいて、フワフワしていましたが、明日は地に足を着けて、いつものプレーをしていきたいです」

 小川貴史監督によれば、センバツ出場が決まって以降、甲子園の動画を見たり、出場経験のある関係者から話を聞いてきた。県大会や東北大会とは異なり、甲子園では、すべての行動に迅速さが求められる。過去にはこのスピーディーな流れに翻弄される初陣校もあった。だが、八戸西はパフォーマンス向上が期待できるメンタルトレーニングを含めて、不安なく、万全の準備で本番を迎えられるという。

 雨天順延を最大限に有効活用する。仕切り直しの明日は、好ゲームが展開されそうだ。

文=岡本朋祐 写真=高原由佳
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