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セ・リーグ6球団 2021シーズン“投手”のキーマンは誰?

 

読売ジャイアンツ



 昨オフにMLB移籍を目指しながら、残留を決めたエース・菅野智之が投手陣の大きな柱であることは間違いない。自身初の「20勝」をターゲットに据え、どこまでそれに近い勝ち星を残せるか、期待が高まる。そんなエースに続く存在がリーグ3連覇へのカギを握る。開幕カードでは菅野に続く第2戦の先発を任される予定の戸郷翔征だ。昨季9勝の高卒3年目右腕にとって、2ケタ勝利は最低限のノルマ。自身は「15勝」を目標に掲げるが、果たしてどこまで数字を伸ばすことができるか。次期エース候補の働きが、チームの浮沈を大きく左右する。

阪神タイガース



 ファンだけでなく矢野耀大監督も、Vへのキーマンだと考え開幕を託した。それが藤浪晋太郎だ。高卒1年目から3年連続2ケタ勝利を収め、エース街道を駆け上がっていたが、ここ2年間で1勝しかできないほど低迷。しかし、昨季終盤に中継ぎを経験したことで、本来の鋭い腕の振りを取り戻し、今オフのトレーニングでさらなる進化を見せた。開幕投手を告げられた後のオープン戦でも結果を残した。その藤浪が先発ローテーションの軸として1年間働き、2ケタ勝利以上をするようだと、必然的に16年ぶりの歓喜が見えてくるはずだ。

中日ドラゴンズ



 昨年はチームトップの54試合に登板。守護神のR.マルティネスが戦線離脱した終盤には代役も務めた。成績は2勝0敗28H3S、防御率は圧巻の1.79だった。10完投6完封で沢村賞を受賞した大野雄大が表のチームMVPだとしたら、裏のMVPは間違いなく祖父江大輔だったと言えるだろう。「50試合以上投げないと働いた気がしない」と今年もフル回転で投げ抜く覚悟だ。勝利の方程式を担う中継ぎエースだが、R.マルティネスが開幕に間に合わず、シーズン途中も五輪予選で抜ける際は昨年同様、抑えに回るはずだ。与田剛監督もそれだけの信頼感を祖父江に寄せている。「言われたところで投げるだけです」と祖父江。優勝のためには欠かせない中日投手陣のキーマンだ。

横浜DeNAベイスターズ



 リハビリ中の今永昇太東克樹が開幕に間に合わない先発ローテーションの中で、先頭に立ってチームをけん引する存在として期待されるのが濱口遥大だ。3月20日、ロッテとのオープン戦(横浜)後に行われた「出陣式」のイベントで三浦大輔監督から初の開幕投手を務めることが発表されると「しっかりと準備ができて、選ばれて光栄です。三浦監督に初勝利を届けられるように頑張りたい」と意気込みを語った。オープン戦は3試合に投げ、防御率2.00と安定した内容。目指すのは、シーズンを通して先発ローテを守ることと、ルーキーイヤー以来となる2ケタ勝利だ。

広島東洋カープ



 昨年のクローザーのヘロニモ・フランスアが右ヒザを手術して長期離脱となった広島にあって、投手陣のカギを握るのは、ルーキーながらクローザーを務めることが有力なドラフト1位の栗林良吏だ。オープン戦では4試合に各1イニングを投げ無失点。力強いストレートと、フォークなど低めの変化球を中心に2安打7奪三振と、三振の取れる抑え向きの投球を見せたが、3月21日のソフトバンク戦(マツダ広島)では、何とか「初セーブ」は記録したものの、満塁のピンチを招くなど、まだ完ぺきな内容とはいえないだけに、シーズンでどれだけ安定感を見せ、チームに安心感を与えることができるかが問われることになりそうだ。

東京ヤクルトスワローズ



 先発投手陣のコマが不足する中、2年目の奥川恭伸の開幕先発ローテーション入りが濃厚になった。開幕3戦目に先発を予定している。実戦ではまだ80球も投げておらず、これから開幕先発ローテ入りを果たしてどうなるかは未知数だが、奥川のポテンシャルを考えれば試合の中で急激に成長する可能性は高い。2013年に小川泰弘が入団して以来、生え抜きの先発投手は育っていない。奥川の台頭は、今季だけでなくチームの将来にも関わってくる。若い力で他選手の競争心も煽り、チーム全体を底上げしてほしい。

写真=BBM
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