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背番号物語

【背番号物語】巨人「#22」現在は小林誠司の背中に…“輸入”された捕手ナンバーは一貫性を欠く

 

生え抜きリレーの時代も長かったが……


巨人の背番号「22」は現在、捕手の小林が着ける


 一般的に捕手とリリーバーの2大勢力が拮抗しているかのような「22」。巨人では、やや捕手が優勢という感がある。2014年から「22」を背負うのは捕手の小林誠司だ。ドラフト1位で入団した小林は一貫して「22」。どのチームよりも長い巨人の歴史にあって、プロ1年目から「22」を与えられた生え抜きの選手はいるが、捕手では小林が第1号となる。ただ、系譜の捕手では移籍で加入した選手がインパクトを残す“輸入”された捕手ナンバーともいえるのが巨人の「22」だ。

 ただ、さかのぼっていくと、小林の前任は越智大祐で5年間、その前が福田聡志で3年間と右腕がリレーし、その前の05年は外野手のキャプラー、03年から04年は右腕のサンタナと助っ人の系譜になりかけるなど、強い一貫戦は感じられない。21世紀の最初はヤクルトから移籍してきた右腕の田畑一也だったが、“移籍組”の系譜という印象が強いナンバーだ。

 戦前、戦中は他のチームから選手を獲得しないという不文律があったという巨人で、生え抜きではない選手が「22」を着けたのは戦後すぐのこと。1947年に巨人でプロ野球に復帰した小松原博喜が原点で、2リーグ制となった50年には正左翼手として全試合に出場、投手としても通算11勝という“二刀流”の選手だった。その後は生え抜き選手の系譜に戻り、小松原の引退で55年に継承したのは3年目左腕の加倉井実だったが、4年で近鉄へ移籍する。続いて新人で右腕の藤本健作高橋栄一郎が2年ずつリレーが継承するも、藤本は左足の複雑骨折で1試合の登板に終わって「41」となり、高橋は南海(現在のソフトバンク)へ放出されてブレークした。

 63年に継承したのは2年目で内野手の船田和英。しぶとい打撃と長嶋茂雄が外野へ回る可能性もささやかれるほどの好守で活躍するも、頭部死球から徐々に失速、65年にも渋いプレーでV9の幕開けに貢献しながら、そのオフに西鉄(現在の西武)へ移籍した。翌66年に継承した内野手の江藤省三中日ほかで偉大な足跡を残した“闘将”江藤慎一の弟としても知られるが、通算17試合のみで67年オフには中日へ。翌68年に継承した矢ノ浦国満が“移籍組”第2号だが、1年で引退。ドラフト1位で入団した右腕の島野修が後継者となるも、伸び悩んだまま7年で阪急(オリックス)へ。右腕の水谷孝とのトレードで、背番号も“交換”となったが、水谷も1年で阪急へ復帰。やはりドラフト1位で右腕の藤城和明が継承するも、またも6年で阪急へ。このトレードで加入したのが正捕手の山倉和博をバックアップして存在感を見せた笹本信二。系譜が徐々に動き始めた。

インパクトを残した“移籍組”捕手


89年、中日から移籍して巨人で背番号「22」となった中尾


 笹本の引退で2年間は生え抜きで投手の山田武史が着けたものの、やはり故障で伸び悩み2年で「59」に。これで89年に「22」を背負ったのが中日から来た捕手の中尾孝義で、古巣では外野に回ることを余儀なくされていたが、巨人では本職の捕手として移籍1年目からリーグ優勝、日本一に貢献。中尾とのトレードで92年シーズン途中に移籍してきたのが大久保博元だ。黄金時代の西武では二軍の主砲だった大久保は、開幕から沈滞ムードに覆われていた巨人の起爆剤になる。大久保の引退で後継者となった杉山直輝も捕手だったが、生え抜きでプロ9年目の変更。「71」1年、「89」2年と指導者のような背番号でスタート、「56」で5年を過ごした苦労人で、「22」1年目には二番手ながら66試合に出場して“メークドラマ”の底力に。ブロックには定評があり、2000年までプレーを続けた。

92年途中、中尾との交換トレードで西武から巨人入りした大久保は背番号「22」に


 結果を残しても、故障などで失速する悲運が目立つ傾向も強い。越智に「22」を譲る形になった福田は「59」「29」で活躍したが、不祥事で退団。越智は難病の黄色じん帯骨化症に苦しみ、「67」に変更して1年で引退した。小林にも故障が続いている。ただ、巨人の「22」は、もともとはチームの功労者がリレーしていた背番号。のちに長嶋へ「3」を託した千葉茂が1939年から41年まで背負った2代目。プロ野球が始まった36年に背負った初代は藤本定義監督だ。“悲運の背番号”で終わるわけにはいかない。

【巨人】主な背番号22の選手
藤本定義(1936〜38)
中尾孝義(1989〜92)
大久保博元(1992〜95)
杉山直輝(1996〜2000)
小林誠司(2014〜)

文=犬企画マンホール 写真=BBM

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