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セ・リーグ6球団 優勝を成し遂げるための最大のポイントは?

 

読売ジャイアンツ



【打線の奮起】
 キャプテンの坂本勇人は連覇を果たした昨季のチームを、こう評している。「ピッチャーのおかげで勝てた、と思っています。今年は(打って)圧倒的な強さで3連覇したい」。532得点はリーグ最多だったが、チーム打率.255は同3位。キャプテンの目から見れば、リーグ1位の防御率(3.34)、最少失点(421)の投手陣に、おんぶにだっこの連覇だった、いうわけだ。オフの補強を見れば、球団の考えも同様であることが分かる。昨季打率リーグ2位の梶谷隆幸の獲得に加え、MLB196本塁打のJ.スモーク、同96本塁打のE.テームズを迎え入れ、得点力のアップを図った。両新助っ人はまだ来日が叶っていないが、梶谷を一番に据えた打線が、どこまで機能するか。坂本が目指す「圧倒的な強さ」実現へのポイントと言える。

阪神タイガース



【四番・大山の出来】
 投手力は昨年以上の厚みを増した。守備の不安も少しずつ解消されようとしている。打線もマルテが好調で、新助っ人の来日が遅れていても不安はない。ドラフト1位の佐藤輝明も加わり破壊力が高まったが、その中でカギを握るのは四番に座る大山悠輔の出来だろう。昨季のように本塁打王、打点王を争うような打撃力を見せることができるようなら、阪神は首位争いを優位に展開できそうだ。しかし、大山が低迷するようだと、打線のつながりが悪くなる。開幕3連戦でチームを勝利に導く打点を挙げる打撃を見せていきたいところだ。

中日ドラゴンズ



【リリーフ陣の充実】
 得点力不足にあえぐチーム事情を考えれば打線の奮起と言いたいところだが、そう簡単に70本塁打&429得点という12球団ワーストの昨年の記録が改善されるとは思えない。大きな補強もなく、ホームランテラスができたわけでもない。やはり今年もカギは投手陣、その中でもリリーフ陣だろう。昨年は福敬登、祖父江大輔の左右中継ぎエースがタイトルを獲得するなど奮闘したが、果たして今年も同じような活躍が見込めるのか。この2人が不調となっては勝利の方程式は成り立たない。それは昨年、救援失敗ゼロに終わったR.マルティネスにも言えるだろう。今年も必ずロースコアの展開が多くなる。自慢の投手陣で勝利をつかんでいくためにも、リリーフ陣の充実が優勝への最大のカギとなる。

横浜DeNAベイスターズ



【外国人の早期来日】
 育成を含めると合流できていない10人の外国人選手(支配下5人)がいつ来日できるかが、カギとなる。昨季25本塁打のソト、20本塁打のオースティンに加えて、投手では昨季リーグ2位の56試合に投げたセットアッパーのエスコバーの不在が痛すぎる。2年目のピープルズは先発候補、新たに獲得した元メジャー右腕・ロメロは先発とリリーフの両にらみ、育成のシャッケルフォードは右ヒジのコンディション次第では早期の支配下契約の可能性もあった──。現時点で助っ人たちの合流は5月以降になると見られ、それまでは我慢の戦いが強いられるだろう。

広島東洋カープ


広島栗林良吏(左)


【勝ちパターン継投の確立】
 昨シーズン、救援投手の防御率が4.64に終わったうえ、クローザーを務めていたヘロニモ・フランスアが右ヒザを手術して長期戦列離脱となった広島にとっては、何と言っても勝ちパターン継投の確立が課題になる。幸い、オープン戦では栗林良吏、森浦大輔大道温貴のルーキー3人衆が好投を見せており、使えるコマ数はむしろ増えた。昨年実績を作った塹江敦哉ケムナ誠にルーキー3投手を合わせた中から、調子を見ながら「勝利の方程式」を作っていく見通しだ。今のところ、クローザー候補はドラフト1位の栗林。昨シーズン前半はクローザーが固まらず苦労した広島だが、今季は若い力で何とかうまく勝ちパターン継投を回していきたいところだ。

東京ヤクルトスワローズ



【山田哲人の復活】
 先発陣はもともと不安だが、自慢の強力打線にも陰りが見えている。特に山田哲人が下半身のコンディション不良で振るわず、オープン戦でも指名打者での出場が主。打率は.133と、“らしくない”打席が続いた。同時に、オープン戦4本塁打の濱田太貴も、上半身のコンディションで開幕一軍入りは絶望だ。本来であれば、四番・村上宗隆の前に山田、青木宣親でチャンスをつくり、村上が勝負を避けられても内川聖一、濱田で得点する打線が理想。投手陣に不安があるチームだけに、打ち勝つゲームを展開したかったが、山田不調の影響は大きい。山田の復活、もしくは宮本丈太田賢吾ら二塁手たちの奮起がなければ、上位を狙うのは難しいだろう。

写真=BBM
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