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坂本勇人と中島裕之 「右打者で最強の遊撃手」はどっち?

 

巨人坂本勇人(左)、西武時代の中島宏之


 昨年に右打者で最年少となる31歳10ヶ月で通算2000安打を達成した巨人・坂本勇人は、スイッチヒッターで日米通算2705安打をマークした松井稼頭央(現西武二軍監督)と並び、「史上最強の遊撃手」の呼び声が高い。ただ打力に関して言えば、同じ右打者で西武時代に大型遊撃手で活躍した巨人・中島宏之(西武時代は裕之)もすごかった。日米4球団を渡り歩き、坂本と同僚となった今季は開幕時点で残り150安打に迫った通算2000安打も射程圏内だ。「右打者で最強の遊撃手」。あなたは坂本と中島のどちらを選ぶ?
※通算成績は2020シーズン終了時点

今季も主軸としてチームをけん引する坂本


・坂本勇人
※NPB通算1785試合出場 打率.292、242本塁打、865打点、156盗塁
 2007年、高校生ドラフトで堂上直倫(現中日)の外れ1巡目で入団。プロ2年目の08年から遊撃のレギュラーに定着し、14年目の現在も遊撃を守っている。常勝を義務付けられている巨人で、守備の負担がかかるポジションにも関わらずレギュラーを張り続けていることに大きな価値がある。腰痛を抱えながらも大きな戦線離脱がなく、心身ともに強さを備えている坂本だが、「もっとうまくなりたい」という向上心が並外れている。

 若くしてレギュラーになり、10年に31本塁打を放ったが、13年以降は打率.265、打率.279、打率.269と伸び悩んでいた。ここで取り組んだ打撃フォームの改造が大きな転機になる。後ろ足に重心を残してボールを叩く打法に変更した16年に打率.344で首位打者を獲得。ミートポイントを体に近づけることでボール球を見極められるようになり、打率も上がった。18年は打率.345、18本塁打、19年は打率.312、自己最多の40本塁打をマーク。巨人の生え抜きの右打者では長嶋茂雄(現巨人終身名誉監督)の39本を抜く最多記録で5年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。昨年は通算2000安打を達成。まだ32歳。3000安打も十分に狙える。

現在は坂本と同じ巨人でプレーしている中島


・中島宏之
※NPB通算1782試合出場 打率.294、202本塁打、948打点、144盗塁

 2001年、当時無名だった伊丹北高から西武にドラフト5位で入団。高校時代通算43本塁打を放ち、「一番・投手」として3年時は起用されていたが、遊撃はプロに入ってから初挑戦だった。

 西武は石毛宏典田辺徳雄、松井稼頭央、中島、源田壮亮とタイプはさまざまだが名遊撃手が生まれる土壌がある。攻守の中心だった松井がメッツにFA移籍したため、中島がプロ4年目の04年に正遊撃手に抜擢されると133試合出場で打率.287、27本塁打、90打点と大ブレークする。06年からの5年連続を含む打率3割を6度マークし、08年は.410、09年は.398で2年連続最高出塁率のタイトルを獲得。09年は173安打で最多安打にも輝いた。

 バットを高く掲げ後方に倒す独特の構えから広角に長打を打ち分ける打撃は、他球団の選手たちから「天才。マネできない」と称されるほど。勝負強い打撃で殊勲打も多い。30歳のシーズン終了時点で1380安打を積み上げた。その後はメジャーに挑戦し、オリックスを経て巨人へ。坂本は中島と同じ兵庫県伊丹市出身だが、中島にあこがれていたという。坂本だけではない。スケールの大きな大型遊撃手として、中島は当時の高校球児たちのあこがれだった。

写真=BBM
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