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川上監督は平均1.42位。3度目の3連覇王手の原監督の平均順位は巨人歴代何位?

 

今季、リーグ3連覇を狙う巨人・原監督


 昨シーズンのセ・リーグは、原辰徳監督率いる巨人が2連覇を達成した。リーグ優勝回数はこれで9回目。今季も優勝すれば、2007〜2009年、2012〜2014年に続く3度目のリーグ3連覇となる。現役監督では突出している数字だが、その「平均順位」は、巨人歴代監督の中では何番目なのだろうか?

1位はプロ野球黎明期の名監督


「第1回日本職業野球リーグ戦」が始まったのは1936年。これが日本プロ野球の幕開けだ。巨人(東京巨人軍)はアメリカ遠征のため第1回を欠場したが、夏季の「連盟結成記念全日本野球選手権」から参加。まずは、この1936年から現在までに巨人を率いた監督を対象に、平均順位を調べてみた。
※1936年はNPB、巨人公式の両方で順位の記載がないため対象外、シーズン途中で監督交代、途中就任の場合もその年の順位を含んで計算

●藤本定義(1937年〜1942年)……平均1.25位
・1937年春 1位
・1937年秋 2位
・1938年春 2位
・1938年秋 1位
・1939年 1位
・1940年 1位
・1941年 1位
・1942年 1位

藤本英雄(1944年、1946年途中まで)……平均2.00位
・1944年 2位
・1946年 2位

中島治康(1943年、1946年途中〜1947年途中まで)……平均2.66位
・1943年 1位
・1946年 2位
・1947年 5位

三原修(1947年途中〜1949年)……平均2.66位
・1947年 5位
・1948年 2位
・1949年 1位

水原茂(円裕)(1950年〜1960年)……平均1.36位
・1950年 3位
・1951年 1位
・1952年 1位
・1953年 1位
・1954年 2位
・1955年 1位
・1956年 1位
・1957年 1位
・1958年 1位
・1959年 1位
・1960年 2位

巨人・川上哲治監督


●川上哲治(1961年〜1974年)……平均1.42位
・1961年 1位
・1962年 4位
・1963年 1位
・1964年 3位
・1965年 1位
・1966年 1位
・1967年 1位
・1968年 1位
・1969年 1位
・1970年 1位
・1971年 1位
・1972年 1位
・1973年 1位
・1974年 2位

長嶋茂雄(1975年〜1980年、1993年〜2001年)……平均2.53位
・1975年 6位
・1976年 1位
・1977年 1位
・1978年 2位
・1979年 5位
・1980年 3位
・1993年 3位
・1994年 1位
・1995年 3位
・1996年 1位
・1997年 4位
・1998年 3位
・1999年 2位
・2000年 1位
・2001年 2位

藤田元司(1981年〜1983年、1989年〜1992年)……平均1.71位
・1981年 1位
・1982年 2位
・1983年 1位
・1989年 1位
・1990年 1位
・1991年 4位
・1992年 2位

巨人・王貞治監督


●王貞治(1984年〜1988年)……平均2.20位
・1984年 3位
・1985年 3位
・1986年 2位
・1987年 1位
・1988年 2位

●原辰徳(2002年〜2003年、2006年〜2015年、2019年〜)……平均1.71位
・2002年 1位
・2003年 3位
・2006年 4位
・2007年 1位
・2008年 1位
・2009年 1位
・2010年 3位
・2011年 3位
・2012年 1位
・2013年 1位
・2014年 1位
・2015年 2位
・2019年 1位
・2020年 1位

堀内恒夫(2004年〜2005年)……平均4.00位
・2004年 3位
・2005年 5位

高橋由伸……(2016年〜2018年)……平均3.00位
・2016年 2位
・2017年 4位
・2018年 3位

 さて、各監督の平均順位を、成績が優秀な順に並べると、Top5は以下のようになる。

第1位 藤本定義(1937年〜1942年)……平均1.25位
第2位 水原茂(円裕)(1950年〜1960年)……平均1.36位
第3位 川上哲治(1961年〜1974年)……平均1.42位
第4位 藤田元司(1981年〜1983年、1989年〜1992年)……平均1.71位
同4位 原辰徳(2002年〜2003年、2006年〜2015年、2019年〜)……平均1.71位

 1位は巨人黎明期にチームを率いた藤本定義で平均1.25位。1位か2位しかないというすさまじい成績で、これが巨人最初の「黄金期」となる。藤本に次ぐのが水原茂。平均1.36位で、就任1年目に3位となって以降は常に優勝争いを繰り広げた。

 3位はV9を達成した川上哲治で、平均順位は1.42位だ。1962年に4位と低迷したことから川上は退団すると決めていたが(辞表も出している)、正力松太郎オーナーが引き留めたことで翻意。もしこのままチームを去っていれば、V9という伝説は見られなかった。

 4位は藤田元司と原辰徳が同率(平均1.714285……とまったく同じ)で並んだ。藤田は1991年に4位となった以外は1位と2位と好結果を残しており、リーグ連覇も達成。この時代の巨人は強かったという印象を今も抱いているファンは多いだろう。原監督は、14年間でリーグ優勝を9度達成。就任期間が長くなると平均順位も下がるものだが、それでも1.71位と歴代上位の成績を残している。

 巨人歴代監督の中で、原監督の平均順位は4位タイだった。順位では偉大な先輩たちに及ばないが、通算勝利数はすでに巨人歴代トップ。今季もさらに数字を伸ばし、記録を更新することだろう。現役監督の中でも傑出した成績の原監督。これからどのような「後世に語り継がれる記録」を打ち立てるのか、今シーズンも目が離せない。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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