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斎藤雅樹、槙原寛己、桑田真澄 「巨人の最強3本柱」であなたが選ぶエースは誰?

 

かつての巨人三本柱の左から斎藤、桑田、槙原


 田中将大が8年ぶりに復帰した楽天涌井秀章岸孝之則本昂大と結成する強力な先発ローテーションが話題になっているが、過去の先発陣で「最強の3本柱」と呼ばれたのが、巨人の斎藤雅樹槙原寛己桑田真澄だ。斎藤はサイドスロー、槙原は恵まれた体格から投げ下ろす本格派右腕、桑田は槙原と同じオーバースローでも配球術や打者との駆け引きで抑える右腕でその投球スタイルは三者三様だった。「平成の大エース」と呼ばれた斎藤、平成で唯一完全試合を達成した槙原、エースナンバー「18」が誰よりも似合った桑田……。3投手の中であなたが選ぶエースは誰だろうか。

2年連続20勝をマークするなど主戦として活躍した斎藤


・斎藤雅樹
※通算426試合登板 180勝96敗11セーブ、防御率2.77 勝率.652

 平成で唯一の2年連続20勝をマーク。89年には11連続完投勝利の日本記録を達成し、最多勝、最優秀防御率、平成初の沢村賞を受賞。90年も8試合連続完投勝利を挙げるなど最多勝、最優秀防御率、最高勝率、最優秀選手とタイトルを総ナメにした。サイドスローだったが、技巧派ではなく球威十分の直球を武器に真っ向勝負で三振奪取率が高い。140キロを超える直球、キレ味鋭いスライダー、シンカーを武器に制球も抜群。野手からも「斎藤が投げる日は負けない」と絶大な信頼を寄せられた。

 エースの証である開幕投手の回数を見ると、斎藤が6度、桑田が3度、槙原が2度務めている。斎藤は94〜96年と3年連続で開幕戦完封勝利を収める偉業を達成。タイトルの数も最多勝5回、最優秀防御率3回、最高勝率3回、最多奪三振1回。史上4人目の沢村賞を3回受賞と圧倒している。勝率.652と圧巻の数字が抜群の安定感を物語っている。現役時代の終盤に度重なる故障で通算200勝に届かなかったが、「平成史上最強の投手」の呼び声が高い。

晩年はリリーフに回った槙原


・槙原寛己
※通算463試合登板 159勝128敗56セーブ 防御率3.19 勝率.554

 3投手の中で、最も身体能力が高かったのが槙原だった。大府高で3年春のセンバツに出場すると、当時の甲子園史上最速の147キロを計測。巨人入団2年目に31試合登板し、12勝9敗1セーブで新人王を獲得する。84年は終速表示で155キロを計測。「日本人で最初に160キロをマークするのは槙原」と言われていた。最も印象深いのが、94年5月18日の広島戦(福岡ドーム)。中2日の先発で102球を投げ、史上15度目の完全試合を達成する。平成で唯一の偉業だった。

 2ケタ勝利を9度マークするが、自己最多は93年の13勝。斎藤、桑田に比べてこの点はインパクトが弱いが、「一発勝負で一番嫌なのは槙原」と他球団には恐れられていた。黄金時代の西武と日本シリーズで対戦した際は、計4試合登板で3勝1敗。2試合が完封勝利、1試合が1失点完投勝利と内容も圧巻だった、94年には日本シリーズMVPを獲得した。

 斎藤同様に通算200勝の可能性は十分あったが、90年代後半に守護神に回り、00年に右肩痛を発症したことで選手寿命が縮まった。ただ抑えとして56セーブ挙げたのも大きな価値がある。

小さい体ながら投球術を駆使して勝利を重ねた桑田


・桑田真澄 
※通算442試合登板 173勝141敗14セーブ 防御率3.55 勝率.551

 身長174センチと恵まれた体格ではなかったが、名門・PL学園高で1年からエースを務めて甲子園に5度出場して2度優勝。清原和博と「KKコンビ」は社会現象になった。甲子園通算20勝は歴代2位の記録だ。

 エースナンバー「18」を背負い、入団2年目の87年に15勝6敗、防御率2.17で最優秀防御率を獲得。同年から6年連続2ケタ勝利をマークし、30歳を超えてからも98年に16勝5敗で最高勝率(.762)、02年に12勝6敗、防御率2.22で2度目の最優秀防御率に輝いた。

 投球だけでなく、フィールディング、けん制の能力も高い。ゴールデン・グラブ賞を西本聖と並ぶ歴代最多タイの8度受賞している。打撃も野手顔負けで通算打率.216。51年以降に通算500打数以上を記録した投手の中で歴代最高だ。また、理想的なフォームのみならず野球に対する真摯な姿勢は他の選手にも高く評価されていた。現役晩年に巨人の戦力構想から外れると、メジャーに挑戦。パイレーツに入団し、39歳70日でメジャーデビューした姿も多くの野球ファンが感銘を受けた。

写真=BBM
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