週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

セ・リーグ6球団 開幕カードから探る2021シーズンの戦い方は?

 

読売ジャイアンツ



【開幕カード結果】
DeNA
第1戦 ○8対7
第2戦 ○10対5
第3戦 △1対1

 新助っ人2人に加え、梶谷隆幸をDeNAから獲得したように、2021年は連覇を果たした20年から得点力のアップを目指してチームづくりがスタートした。助っ人2人はまだ来日が叶っていないが、梶谷を一番に据えた打線は東京ドームでの開幕2試合で18得点とDeNAのミスにも乗じて打ち勝った。先発の平良拳太郎の前に5回まで完全に抑えられた第3戦も8回にその梶谷が値千金の同点適時打で引き分けに持ち込んでおり、その第3戦(東京ドーム)は僅差だからこそのバントミス、走塁ミスも課題に挙げられるが、3戦トータルで攻撃陣はまずまずのつながりを見せたといえる。

阪神タイガース



【開幕カード結果】
ヤクルト
第1戦 ○4対3
第2戦 ○9対5
第3戦 ○8対2

 昨季以上に投手陣が安定している。9回打ち切りの規定ができたことで、先発陣は5回までを全力で投げればいい。開幕投手の藤浪晋太郎以降、青柳晃洋ガンケルと5回を投げ切った。そこから勝ちパターンで使える中継ぎ陣も6人いることは強みだ。その投手陣に守られながら、打線が“線”になるパターンが確立されようとしている。四番・大山悠輔もイニングの先頭で長打を狙いつつも、確実にヒットを放ち、来日2年目で好調の五番・サンズや六番・佐藤輝明に回しているなど循環がいい。投手陣がしっかり抑え、打線がここ一番でしっかり点をもぎ取る。オーソドックスではあるが、開幕3戦で今年の戦い方がはっきり見えていた。

中日ドラゴンズ



【開幕カード結果】
広島
第1戦 ○7対6
第2戦 ●1対4
第3戦 △0対0

 二番に阿部寿樹、五番に平田良介を置いて得点力アップを目指す新打線。広島との開幕戦(マツダ広島)こそ終盤に7得点で劇的な逆転勝利を飾ったものの、2戦目以降はわずかに1得点。つながりの悪さは相変わらずだった。ただ、代打に球界最年長選手の福留孝介、代走に高松渡というオプションができたことは大きい。福留は2四球を選び、高松は2盗塁を決めた。投手陣ではエース大野雄大に次ぐ福谷浩司柳裕也の先発右腕が序盤に失点して結果を残せなかったものの、3戦目に期待の小笠原慎之介が6回無失点の好投を見せ、中継ぎ陣も3試合でほとんど得点を許さずに試合をつくった。今年も投手陣がピンチを防ぎ、打線が少ないチャンスをものにしていくという戦い方になりそうだ。

横浜DeNAベイスターズ



【開幕カード結果】
対巨人
第1戦 ●7対8
第2戦 ●5対10
第3戦 △1対1

 0勝2敗1分け。東京ドームで行われた巨人との開幕カードで三浦大輔監督の初勝利はならず、チームは試行錯誤の中で今季の戦い方を探っている段階ではある。攻撃では機動力や小技を重視。開幕戦では2回に無死一、二塁から柴田竜拓がバスターでチャンスを拡大させ、4回には関根大気がセーフティーバントを決めた。第3戦は3つの犠打を決めるなど「スモール・ベースボール」で得点力アップにつなげる方針だ。外国人選手の合流後は、新たな戦い方となる可能性もあるが、昨年までの“大味な”攻撃から一転して、新指揮官は手堅い野球に徹している。

広島東洋カープ


広島・栗林良吏


【開幕カード結果】
対中日
第1戦 ●6対7
第2戦 ○4対1
第3戦 △0対0

 広島は、投手陣では「勝利の方程式」をどう組んでいくかが注目された。中日との開幕3連戦はいずれもリードまたは接戦で終盤に入る形になったが、ルーキーの栗林良吏をクローザーに指名、その前は相手の打順や休養状況などで流動的に組み、ルーキーの森浦大輔塹江敦哉ケムナ誠を基本に投入していく形が見られた。今季は延長戦がないこともあり、1人1イニングと言わず、もっと細かい継投もあり得る。河田雄祐ヘッドコーチの加入で変化が注目された攻撃面では、1点を争う展開になった第3戦、一番から三番のところでヒットエンドランを盛んにかける攻撃を展開。全体に代走を送る仕掛けも早くなり、特に試合後半は動きのある攻撃が増えそうだ。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・村上宗隆


【開幕カード結果】
対阪神
第1戦 ●3対4
第2戦 ●5対9
第3戦 ●2対8

 神宮で阪神に開幕3連敗を喫したヤクルト。もちろん、3試合ともに先制点を献上してしまった先発投手陣にも問題はあるが、何より打線だろう。四番・村上宗隆を中心とした強力打線を擁しているはずだが、主力打者は軒並み不調。元気なのは3試合連続マルチ安打の青木宣親くらい。村上は打率.091、山田哲人は.154で、坂口智隆は1本のヒットも出ていない。開幕3戦目では、完封負け目前の8回に山田が2ランを放ったが、高津臣吾監督は、「今は打てるのが、結果が出ているのが青木と中村(悠平)しかいない。(山田の2ランで)点を取れたことは良かったかもしれないですけど、打線のつながりは欠ける」と渋い顔。昨季も投手陣は振るわなかったが、打線は違う。勝利するためには、打線が失点以上に得点しなければならない。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング