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佐々木朗希は果たして? 槙原寛己、ダルビッシュ有ら2年目に大躍進した名投手はたくさんいる!

 

 今季はロッテ佐々木朗希に注目が集まっている。大船渡高時代に高校生では歴代最速となる163キロをマーク。近年まれに見る逸材として注目され、ドラフトでは4球団競合の末にロッテが獲得した。1年目は春季キャンプから一軍に帯同するも、体づくりのためにシーズンを費やしたことで一軍、二軍ともに公式戦登板はなし。2年目の今季は中日とのオープン戦でプロ初登板。1回を無安打に抑えており、2年目での飛躍が大いに期待される。今回は、こうした「プロ2年目に大躍進を遂げた投手」をピックアップしてみた。

槙原に平井、2年目にブレークを果たした名投手



「プロ2年目に大躍進を遂げた投手」の筆頭が槙原寛己だ。1982年にドラフト1位で巨人に入団した槇原は、1年目は佐々木と同じように体づくりに専念。この育成方針が功を奏し、2年目の1983年はいきなり初登板初先発で完封勝利を記録した。その後も先発の一角として好投を続け、最終的に31試合で12勝1セーブをマーク。見事に新人王に輝いた。その後も先発の柱として斎藤雅樹桑田真澄とともに活躍し、1994年には史上15人目の完全試合も達成している。

 オリックスや中日で活躍した平井正史もプロ2年目に覚醒した選手。1年目は8試合で1勝3敗と目立った活躍ができなかったが、防御率は1.80と安定。首脳陣の評価は高かった。迎えた2年目の1995年は、その安定性を生かすために仰木彬監督の指示でリリーフに転向。150キロを超えるストレートと落差の大きなフォークを武器に、53試合で15勝5敗27セーブを記録した。高卒2年目の選手が残したとは思えない強烈な数字だ。

 オリックスの選手で15勝を挙げた投手は平井が記録した1995年から2008年まで現れなかった。抑えながら15勝を記録した平井の成績はそれだけすさまじかったのだ。平井以来13年ぶりに15勝を挙げたのが小松聖。2006年に希望枠でオリックスに入団した小松は、1年目は中継ぎとして8試合に起用されたが、1勝2ホールドの数字に終わる。しかし、翌2008年はシーズン途中で先発に転向して15勝1敗3ホールド、防御率2.09を記録。新人王にも選出された。

MLBで活躍するダルビッシュや前田も2年目に飛躍



 今やメジャーを代表する投手の一人となったダルビッシュ有も、2年目に大きく躍進した投手だ。1年目は右ヒザの関節炎の影響で二軍スタートなったが、6月に一軍昇格すると初登板・初勝利を記録。その後も先発として起用されて5勝5敗という成績を残した。翌2006年は、肩の負傷で出遅れた影響もあり、序盤は不振に陥るも、最終的に12勝5敗と成績は大幅に向上。CS、日本シリーズでも好投を見せ、不動のエースへと成長した。

 ダルビッシュと同じく、メジャーの舞台で活躍している前田健太も2年目に大きく前進した選手。高卒ルーキーながら大きく期待されていた前田は、いきなり一軍キャンプ入り。残念ながら一軍登板はなく、二軍戦でも5勝8敗と期待に応えられなかった。しかし、翌2008年に佐々岡真司(2007年限りで引退)から「18番」を受け継いだ前田は、6月の日本ハム戦で初勝利を記録すると、そのまま先発ローテーションに定着。2ケタには届かなかったが、18試合に先発してチーム2位の9勝(2敗)と、二軍でくすぶっていた前年から大きく飛躍した。

 最近では、ソフトバンク高橋礼が2年目に覚醒した選手だといえる。プロ1年目の2018年は、4月に一軍昇格を果たすも、12試合0勝1敗と目立った成績が残せなかった。しかし、翌2019年は開幕前に日本代表に選出。これが弾みとなったのか、公式戦では早々に開幕先発ローテーション入りを果たして12勝をマークした。日本シリーズでは第2戦に起用され、安定した投球を披露。日本シリーズ優秀選手賞に選出されている。

 プロ2年目に大躍進を遂げた投手をピックアップして紹介した。今季はロッテの佐々木郎だけでなく、ヤクルト奥川恭伸阪神西純矢、オリックスの宮城大弥など、2年目のブレークが期待されている注目選手が多くいる。果たして2年目に大きく飛躍するのは誰なのか、目が離せない。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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