週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

高山俊、上林誠知、王柏融…開幕二軍で正念場の「天才打者」たち

 

 類まれな打撃センスで、球界を代表する選手として嘱望された選手が伸び悩んでいるケースは少なくない。その原因はさまざまだが、かつては主力として活躍していただけに伸び悩んでいる姿を見るともどかしい。もう一度、一軍のグランドで輝く姿を見たい。
※通算成績は昨季までの数字


・高山俊(阪神)
通算成績429試合出場、打率.253、20本塁打、135打点

 日大三高で1年秋から右翼のレギュラーに定着。甲子園に2度出場し、3年春は打率.529と安打製造機ぶりを発揮し、夏は打率.500で全国制覇に貢献した。明大に進学すると六大学新記録の131安打をマーク。阪神とヤクルトがドラフト1位で競合し、抽選の末に阪神が交渉権を獲得した。1年目の2016年に外野のレギュラーをつかみ、134試合出場で打率.275、8本塁打、65打点で新人王を受賞。シーズン136安打、猛打賞13回と球団新人記録を塗り替えた。

 17年もオープン戦で12球団最多タイの4本塁打を放ったが、シーズンに入ると攻守で精彩を欠き、103試合出場で打率.250、6本塁打と前年の成績を下回る。18年以降も外野の定位置を奪えず、昨年はプロ最少の42試合出場で打率.152、0本塁打。今年は右足を開いたオープンスタンスに打撃フォームを改造して巻き返しを誓ったが、オープン戦で結果を残せず開幕は二軍スタート。DeNAラミレス前監督が「将来は首位打者になれる」と絶賛した逸材は再び輝きを取り戻せるか。


・上林誠知(ソフトバンク)
通算成績474試合出場、打率.245、54本塁打、171打点

 仙台育英高で1年秋から四番に座り、甲子園に3度出場。2年秋の明治神宮大会では準決勝・北照戦で満塁本塁打を放つなど打率.385で優勝に大きく貢献した。ソフトバンクにドラフト4位で入団すると、2年目の2015年に8月25日のロッテ戦(ヤフオクドーム)でイ・デウンからプロ初アーチの逆転満塁本塁打。20歳カ月での満塁本塁打は球団史上最年少の快挙だった。

 17年に外野の定位置を勝ち取り、134試合出場で打率.260、13本塁打、51打点と勝負強い打撃で初の規定打席に到達。外野の守備でも12球団最多の10補殺数とチームの日本一に貢献した。翌18年は全143試合出場し、打率.270、22本塁打、62打点。14本の三塁打はリーグトップ。攻守走3拍子そろったスケールの大きいプレースタイルで「トリプルスリー」を狙える若手の有望株として注目度も高まった。しかし、19年は右手薬指の剥離骨折が影響して打率.194、昨年も打撃の調子が上がらず打率.181と精彩を欠いた。今季は開幕から二軍スタート。25歳とまだまだ若いだけに、はい上がってほしい。


・王柏融(日本ハム)
CPBL通算成績378試合出場、打率.386、86本塁打、319打点
NPB通算成績140試合出場、打率.244、5本塁打、44打点

 台湾プロ野球では「天才打者」として数々の偉業を打ち立てた。2016年に116試合出場でいずれもリーグ最高記録の打率.414、シーズン200安打をマーク。翌17年は115試合出場で打率.407、31本塁打、101打点と台湾人選手で初の三冠王を獲得。最多安打も加えて打撃4タイトルを獲得した。この年の開幕前にはWBCに出場する日本代表との壮行試合で楽天則本昂大からバックスクリーンに豪快な一撃を放っている。「打撃は日本でも十分に通用する」と各球団から絶賛された。

 日米数球団が獲得に興味を示す中、18年オフに日本ハムに入団。移籍1年目の19年は故障と打撃不振で精彩を欠き、打率.255、3本塁打。背番号99から3に変更した20年だったが、52試合出場で打率.207、2本塁打と一、二軍を往復するシーズンとなった。今年は来日3年目で初の開幕二軍スタート。「台湾の大王」は意地を見せられるか。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング