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川口和久WEBコラム

エラーで呪縛解け(?)、広島・菊池涼介のバットがさらに加速する?/川口和久WEBコラム

 

外の対応がうまくなった菊池



 少し前だが、4月2日のDeNA−広島戦(横浜)で菊池涼介の連続守備機会無失策記録が途絶えた。大御所解説者のHさんは「捕って投げてもセーフだったじゃないか。なんでエラーなんだ」と怒っていたが、二塁ベース寄りの高いバウンドの打球に猛チャージし、ポロリとしてしまったものだった。菊池のセンスがあれば何か起こっても不思議じゃないけど、待って捕ったら内野安打だったし、エラーは可哀そうかなとは確かに思った。

 8回の守備は、表に2点を取って4対0にはしたけど、エラーと四球で走者を出し、広島は少し硬くなっていたね。7回まで大瀬良大地が完璧に抑えてからの塹江への継投だったけど、開幕戦の中日戦は8回から崩れて勝ち星を挙げられなかった。何とか大瀬良に勝ちをつけなきゃと思ったのだろう。

 これは雑誌のコラムでも書いたけど、セーブシチュエーションではない4対0の9回に抑えの栗林良吏を起用したのも、絶対に大瀬良に勝ちをつけたいという佐々岡真司監督の強い思いだ。223日ぶりの勝利か。よかったね。

 菊池自身は別にエラーは気にしてないんじゃないかな。あれだけ果敢なプレーをしていればエラーはつきものだし、いつかは途絶える、と達観していたと思う。以前、自分の記録を重要視してないと聞いたこともあるしね。

 俺は翌日の試合の解説で横浜スタジアムに行ったが、エラーなんてまったく関係なく、菊池は初打席からヒット、そのあとホームラン、二塁打で猛打賞だった。8試合を消化した4月3日時点の打率が5割、得点圏打率8割だからすさまじい。

 これまでの菊池への攻めはパターンがあった。インコースの真っすぐを見せてから、外の出し入れで追い込んで、タテ変化で仕留めるというものだ。ただ、今年は外の球を右方向に運んだり、踏み込んで引っ張ったりしている。
 今のバッティングをしていけば大崩れはしないだろう。今度は首位打者という目標に向かってほしいね。

 近年、どのチームも二番重視と言っていろいろな強打者を置いてきた。今年も巨人ウィーラーを使ったりしているけど、結構1周回って今までどおりつなぎタイプを置いているチームも多い。
 菊池は逆かな。つなぎもできるバッターとして二番に置いていたら強打の二番としてはまったというか。まあ、以前は3割を普通に打っていたから復活と言ってもいいかもしれない。
 今のカープは三番の西川龍馬もいいし、菊池を牽引車として打線が機能している。あとは鈴木誠也の爆発待ちだね。

写真=BBM

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