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上位浮上へ虎視眈々…オリックスは強力先発ローテで“攻める”!

 

強固な先発陣を形成


4月1日のソフトバンク戦(京セラドーム)、中5日の登板も、気迫十分の投球で完封勝利を飾った山本


 出足でつまずくわけにはいかない。開幕投手の山本由伸を中5日での“攻めの起用”。オリックスは3カードを終えて4勝5敗と1つの負け越しの3位も、先発防御率は12球団トップと強力先発ローテーションで僅差の試合を演じ、上位浮上を虎視眈々と狙う。

 とにかく勝つ──。強い思いが表れているのが先発ローテだ。開幕投手を務めた山本由伸が、中5日で4月1日のソフトバンク戦(京セラドーム)に登板。初回からエンジン全開で鷹打線を圧倒し、二塁すら踏ませず先発全員13奪三振2安打完封と、圧巻の投球を披露して前年覇者を相手にカード勝ち越しを決めた。

「(開幕戦で)負けていたので早く投げたいと思っていた」と中5日の登板も問題なし。そもそも開幕前、中5日登板の可能性を山本に問うと「それは秘密です」と笑いながら煙に巻いた後に言った。

「登板間隔だけじゃなく、中6日でも調子が悪い日だってあるかもしれない。いろんな可能性があるでんす。だからどんな状況でも対応できるように、僕は準備するだけです」

 勝利を期すからこその準備だが、過去2年開幕から借金がかさんで失速した苦い思いもある。「去年とは違うところを、どんどん見せていきたい」と背番号18は語気を強める。

 当然、中嶋聡監督も思いは同じ。それゆえの“攻めの起用”だが、7月中旬から東京五輪による1カ月の中断も関係する。「(中断で)前期と後期のような形。前期に乗り遅れたら、取り返しがきかなくなる」と考えるからこその“攻めの起用”だ。

 山本と先発2本柱を形成する山岡泰輔も中5日で起用し、2年目左腕の宮城大弥の台頭もあって先発陣は強固な布陣を形成。「勝てる投手からつぎ込む方法もある」の指揮官の構想は、開幕から3カードを終えて先発投手の防御率2.05の成績に表れる。平均投球回6.1を投じ、大崩れした試合はなし。ゲームメークできる先発陣は何よりの強みだ。勝敗は1つの負け越しも、昨季と違い、大型連敗がないのは先発陣の踏ん張りにほかならない。故障や不振者が出ても未来日のディクソンが控え、ファームでは張奕榊原翼らが昇格をうかがい、強固な先発陣は揺るがないだろう。

 あとは打線の奮起を待つだけ。吉田正尚に快音が聞かれ始め、4月3日にはロメロが来日と、明るい材料はある。先発投手を最大の武器に、今季こそ上位浮上へ。“攻めの起用”を見せる指揮官の下、パ・リーグをかき回す。

写真=宮原和也
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