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現在では更新不可能なアンタッチャブルな記録も!? 意外と知らない個人連続記録とは?

 

 2021年4月11日に行われた広島巨人戦(マツダ広島)で、広島のプロ10年目・野村祐輔が先発。これでデビューからの連続先発登板が188試合目となり、ネイサン・ミンチーの187試合連続という日本記録を更新した。「デビューからの連続先発」はあまり知られていない記録のため、「そうだったのか」と驚いたファンも多いだろう。今回は、「意外と知られていない個人連続記録」を紹介する。

レジェンドが残した記録


89年、11試合連続完投勝利を達成した斎藤


 完投数が減った現在ではまず更新不可能なのが、「連続完投勝利」だ。日本記録は巨人で活躍した斎藤雅樹が残した11試合。1989年5月10日の大洋戦(横浜)から、7月15日のヤクルト戦(東京ドーム)までずっと完投勝利を続けた。ちなみに、現役の菅野智之は2015年に9度の完投勝利を収めたが、3連続が最高。11試合連続がいかに卓越した記録なのかが分かるだろう。

「連続無失点記録」は、歴代最多の400勝を挙げた大投手・金田正一が1958年に残した64回1/3連続無失点がNPB記録。とんでもない記録だが、連続完封勝利記録では1リーグ時代に巨人で活躍した藤本英雄の6試合連続が最多。2リーグ制以降では大阪の小山正明がマークした5試合連続が最多となる。金田も64回1/3連続無失点中の4試合連続は記録している。

ヤクルト・石川雅規には記録更新の期待がかかる


291試合連続で先発登板を続けている石川


 デビューからの連続先発は野村の188試合が日本記録だが、先発で起用され続けた「連続先発記録」は何試合なのかご存じだろうか? NPB記録はなんと311試合。南海や阪神でプレーした山内新一が達成した記録だ。山内は巨人から南海に移籍した1973年に本格的に先発で起用されると、ここから引退する1985年まで13年間にわたり先発で投げ続けた。

 山内に続く数字を残しているのが現在DeNA監督を務める三浦大輔。2002年から引退する2016年まで294試合にわたり先発で投げ続けた。また、現役ではヤクルトの石川雅規が最多で現在291試合連続で先発登板を続けている。山内が残した歴代最多記録の更新に期待がかかる。

珍しい投手の連続記録


99年、リリーフながら14連勝を達成した篠原


 投手記録で面白いのが「連続リリーフ勝利」だ。試合の展開次第で中継ぎや抑え投手に勝利が記録されることがあるが、元ダイエーの篠原貴行は、1999年にリリーフながら14連勝を記録した。これは無失点試合を挟んでの連続記録ではあるが、それでも14連勝は圧巻。先発のエースでも難しい数字だ。狙ってもできるものではないため、そうそう更新されることはないだろう。

 また、登板イニングの少ない中継ぎや抑えであっても、「負け」が記録されることは珍しくない。そんな中、とにかく負けなかったのが近鉄や日本ハム、阪神でプレーした柴田佳主也。近鉄時代の1997年5月15日ダイエー戦(ナゴヤドーム)から、ダイエーに移籍した2004年7月16日の近鉄戦(大阪ドーム)まで、なんと235試合連続で負けることなく投げ抜いた。ちなみに、「連続登板機会敗戦なし」がスタートする前日、1997年5月14日の試合では史上14人目となる1球敗戦投手にもなっている。

同じチーム相手に走りまくった代走のスペシャリスト


 打撃記録は衣笠祥雄の2215試合連続出場や、金本知憲の1492試合連続フルイニング出場、イチローの216打席連続無三振などアンタッチャブルな連続記録が多数ある。そんな中で意外と知られていないのが「二塁打」や「三塁打」の連続試合記録だ。二塁打の場合は、2009年に日本ハムの金子誠が残した7試合連続がNPB記録。三塁打は長嶋茂雄の「4試合連続」が歴代トップだ。そもそも三塁打自体がシーズンを通して10本出れば優秀といえるものだけに、4試合連続はそう超えられるものではない。

「連続盗塁成功記録」は、ヤクルトの山田哲人が持つ33試合連続がシーズン最多記録。では、「同じチーム相手に連続して盗塁を成功し続けた場合の日本記録」はご存じだろうか? この記録は近鉄の藤瀬史朗が、阪急相手に記録した33回連続が日本記録。藤瀬は通算117盗塁のうち105は代走でのものと、まさに代走のスペシャリストだった選手だ。広島との日本シリーズでは、第7戦の9回に快足を生かして二盗、三盗を記録。これが「江夏の21球」につながった。

 野村がデビューからの連続先発記録を更新したということで、今回は投手記録を中心にピックアップしてみた。「連続リリーフ勝利」や「連続登板機会敗戦なし」は、知らなかったという野球ファンもいるのではないだろうか。今年は再び143試合に戻り、昨年以上の激闘が期待される。果たして珍しい連続記録は生まれるのか、選手のプレーに注目したい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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