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巨人・王貞治が7試合連続弾/週べ回顧1972年編

 

 3年前に創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

村山実はカウントダウン


7試合連続弾を達成した王



 今回は『1972年10月9日号』。定価は120円。

 巨人王貞治が再び金字塔を打ち立てた。
 1972年9月11日、広島戦(後楽園)を皮切りとした7試合連続本塁打だ。
 過去の記録は5試合。70年に王自身も一度あったが、6試合が一つの鬼門となっていた。

 しかし今回は19日、甲子園の阪神戦で山本和行から6試合目の日本記録、20日、同カードでは村山実から42号を放ち、大記録を達成した(8試合連続はならず)。
 6試合目の前、王はこう話している。
「別に何がなんでもという気負ったものはないよ。でも今は調子がいいから気楽に打席に立てているね。あまりないチャンスだから思い切ってやろうとは思っているけどね」
 6、7試合はいずれも初回。
「自分でも驚くほど簡単に出るなあ。10回、12回も挑戦して5試合連続が出なかったときのほうが意識してたね。とにかく第1打席で出るんだから、意識してないうちに出てるということだよね」
 相手の村山については,
「今年は7の0と抑えられていたんだけどね。フォークが真ん中だったね。かえって村山さんのほうが意識過剰になっていたんじゃないの」
 と話していた。

 その村山が20日の先発マウンドに立った際、場内のファンは総立ちで拍手を送った。この日の登板は事実上の予告先発。この3試合が終わると、甲子園での巨人戦は、あと2試合だけ。
 多くのファンは現役村山のカウントダウンとして球場に足を運んだ。ただ、試合後の金田正泰監督代行の言葉は冷たい。
「私は完投させるつもりだったのですが、本人は5回の一死満塁で王に打順が回ってきたとき、交代させてくれと言ってきたんですよ。もう自信がなかったんでしょう」
 熱血漢・村山の楽屋裏を今さらさなくてもいいのでは、とも思う。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM

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