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最強のリードオフマンを擁するのはどこ? セ・リーグ6球団「一番打者事情」

 

打線を活気づける存在のリードオフマン。一番が元気でなければ得点を重ねることは難しい。果たして、ここまでセ・リーグ6球団のリードオフマンの働きぶりはいかに。各球団の一番打者事情を見ていく。
記録は4月19日現在

読売ジャイアンツ



 悩ましい問題に直面している。本来は一番に梶谷隆幸がハマればよかったが、開幕から打撃不振。その後、丸佳浩ら中心選手たちに新型コロナウイルスの陽性判定が出た関係で、三番を打っていた坂本勇人を二番に上げ、梶谷は三番に落ち着いた。この間、4月18日までに松原聖弥が一番で10試合に先発し、打率.366をマークするなど、同11日から6連勝プラス1引き分けのチームをけん引している。ただ、来日が遅れていたE.テームズ、J.スモークが二軍戦で実戦デビュー。一軍合流も間近のため、左翼を守ることが濃厚のテームズと松原はポジションがかぶる。助っ人、梶谷、丸らを押しのけて松原が一番とともにポジションを守るのか、一番には別の選択肢を用意するのか、原辰徳監督の決断に注目が集まっている。

阪神タイガース



 阪神の一番打者といえば近本光司が定着している。2年連続盗塁王であり、2年前の新人のときにはセ・リーグの年間新人安打記録を更新した強打俊足の打者だ。その近本は、プロ3年目にして初めて開幕戦を一番打者で迎えた。現在、阪神は快調に首位を走っているが、近本がその快進撃に貢献している、とは言えない状況だ。打率は4月17日まで1割台と不調に陥っていた。それでも盗塁数はリーグトップタイの5を記録しているのはさすが。4月18日のヤクルト戦(甲子園)で4安打を放ち、打率.215とようやく1割台を脱出。ここからの巻き返しに期待がかかる。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・山崎晃大朗


 最も多く一番に入っているのが、山崎晃大朗だ。ここまで、打率はリーグ10位の.297。18試合に出場して四球は2と少ないが、打席での粘り強さは秀逸だ。1打席あたりの平均投球数は4.22球で、リーグトップの17四球をもぎ取っている村上宗隆が4.57球だから、いかにクサイ球をファウルでカットしているかが分かる。事実、投手に6球以上投げさせた打席の打率は.500。俊足も備え、内野安打で出塁することも可能なため、二番以降に打撃好調の中村悠平や、調子を上げてきた山田哲人、村上ら強打者がそろう強力打線の中で、大きな役割を果たしている。

広島東洋カープ



 開幕は田中広輔の一番でスタートしたが、10試合終了時点で打率.184と調子が上がらず、11試合目からは、そこまで打率.455と絶好調だった菊池涼介を一番に据える形に変更した。菊池涼は一番に座ってから4月19日まで10試合が経過したが、打率.310と好調を維持、出塁率も.341と、田中広が一番に座っていたときの.295より上昇させており、こと一番打者という点では変更は成功している。ただ、菊池涼が一番に上がったため、二番打者に人材を欠くことに。菊池涼と四番の鈴木誠也の間に2人入る形となったタイミングで三番の西川龍馬の調子が少し下がってきて打線のつながりはもう一つ。全体の得点力が上がったとは言えないのがややつらいところだ。

中日ドラゴンズ



 得点力不足に苦しむチームにおいて開幕から一番を務めているのが、今季で36歳を迎えるベテランの大島洋平だ。開幕から巧みなバットコントロールで10試合連続安打を放つなどバットは好調。3年連続最多安打のタイトルに向けて幸先のよいスタートを切った。打つだけではなくセンターの守備、また足でも魅せている。失敗なしの4盗塁。25安打の打率.313は十分に合格点。攻守走と三拍子そろった活躍は見事と言うほかない。「年齢は関係ないし、以前と比べて衰えたとも感じていない」と言うから頼もしい。与田剛監督は得点力アップを図るべく日替わり打線を強いられているが、一番の大島を動かすことはない。頼れるリードオフマンだ。

横浜DeNAベイスターズ



 21試合を終えて、一番でスタメン起用された回数は、桑原将志が15試合、関根大気が5試合、神里和毅が1試合。ここ数年、思うような成績を挙げられなかった桑原が、今年はオープン戦でしっかり結果を残し、「一番・中堅」で3年ぶりの開幕スタメンの座をもぎとった。桑原は開幕5試合で打率.364と安打を量産したが、4月以降は徐々に調子を下げてしまう。現在は、対戦相手との相性、コンディションを見極めて、桑原と関根のどちらかがリードオフマンの役割を担う。求められるのは出塁率。チャンスメークして、クリーンアップにつなぎたい。

写真=BBM
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