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川口和久WEBコラム

高橋優貴、今村信貴、左腕2人でジャイアンツの主役を張ってくれ!/川口和久WEBコラム

 

真っすぐ主体の攻め



 走り出したタイガースを追い掛けているのがジャイアンツだ。
 新外国人以外は開幕からそろい、新人の佐藤輝明らが活躍している阪神に比べ、巨人はコロナで丸佳浩中島宏之ウィーラーを欠き、期待の助っ人も来日遅れ、さらに、前日ようやく打ってくれたが、四番・岡本和真の不振もあった。現在の成績は健闘していると言えるだろう。

 派手さはないが、投手陣でここまでチームを支えてきたのは左腕の先発2人、高橋優貴と今村信貴だと思う。
 正直を言えば、開幕時、2人への期待度は高くなかった。巨人先発陣の中心は菅野智之戸郷翔征サンチェスの右の三本で、今村の存在は地味だったし、高橋に至っては一度サバイバルから脱落している。
 それが今、高橋3勝0敗、防御率0.41、今村が2勝0敗、防御率0.92と大活躍だ。

 2人ともそうだが、ピッチングのうまさは入団当時からあったが、課題はストレートの球威、キレだった。
 球速ではない。仮に140キロでも正しいフォームなら打者もタイミングが合わせにくいし、あとは思い切った内角攻めも重要だ。内角は甘くなると長打があるが、外一辺倒や、そこから逃げる変化球だけでは必ずつかまる。

 特に高橋は、昨年までは肝心なところで変化球をチョイスして打たれるケースがあったが、今年はストレート主体で攻めている。もちろん、ずっと攻めるわけじゃないよ。攻めながらかわすのが、ピッチングには重要だ。かわす、かわすではなく。
 今村は体が真ん丸になったが、それだけ鍛えて筋力をつけたんだろうし、高橋もかなり真っすぐを意識して磨いてきたようだ。

 内海哲也がエースの時代もあったが、巨人は伝統的に右腕を中心にし、左腕がそれを支える形になることが多い。
 俺が巨人に在籍中も斎藤雅樹桑田真澄槙原寛己の右の三本柱がいて、ゲンちゃん(河野博文)、俺、先発では宮本和知が脇役として支えた。

 でも、2人とも別に脇役に甘んじることはない。左腕2人でドンと主役を張ってくれ。

写真=BBM
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