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最下位に低迷するDeNA 大活躍の新人・牧秀悟は何番が適任?「四番で見たい」の声も

 

名球会選手も高く評価する打撃


開幕から新人らしからぬ力強いバッティングを披露している牧


 現在、2分けを挟んで9連敗中のDeNA。3勝16敗4分けで最下位に低迷するが、ドラフト2位・牧秀悟が期待以上の活躍を見せている。4月21日現在で打率.308、6本塁打、18打点。いずれもリーグトップクラスの活躍で今やチームに不可欠な存在になった。

 中大3年春に首位打者、秋はMVPに輝き、大学日本代表の四番も務めた。昨年のドラフトで2位指名されDeNAに入団すると、3月26日の開幕・巨人戦(東京ドーム)に「三番・一塁」でデビュー。28日の同戦から4試合連続マルチ安打を放つなど広角に安打を量産した。パンチ力もある。31日のヤクルト戦(横浜)で高梨裕稔から左翼席に突き刺す弾丸アーチを放つと、4月6日の中日戦(バンテリンドーム)でも鈴木博志の高め直球を振り抜き、2号左越えソロは球団通算8000号のメモリアル弾。4月11日の阪神戦(横浜)ではガンケルから右翼ポール直撃の4号ソロを放つなど、逆方向にも伸びる。

 現役時代に中日で通算2480安打をマークした野球評論家の立浪和義は、週刊ベースボールの連載コラム「立浪和義の超野球論」で、牧の打撃技術について高く評価してこうつづっている。

「もちろん、相手にまだ情報が少なく、新人選手として怖いものなしでやっている、という部分もありますが、私はすでにかなり高い完成度があるバッターだなと感じています。決してたまたまの数字ではありません。まず、見ているとボールを呼び込む形がよく、しっかり軸足に体重を乗せて、引き付けて自分のポイントで強いスイングをしています。ボールを追い掛けて崩れたりということもないですし、体力面にバテる時期は必ずあるでしょうが、うまくコンディションを維持していけば、コンスタントに結果を出せるバッターだと思います」

 牧の本職は二塁で、一塁は高校以来守っていない。不慣れなポジションで守備に神経を使うことが多いのを考慮すると、その成績はさらに価値が高まる。ただ、ルーキーの奮闘がなかなか報われない。21日終了時点で3勝16敗4分け。牧の打順もチーム状況に合わせて変動している。開幕から三番を任されていたが、ソトオースティンが戦列復帰すると二番に。4割を超える得点圏打率の勝負強さを買われ、4月18日の巨人戦(横浜)から走者がたまった場面で回ってくることが多い五番で2試合連続スタメン出場している。

現在は昨年の首位打者、佐野が四番に座る


 DeNAファンからは「四番で見たい」の声も上がる。不動の四番・佐野恵太は打率.289、1本塁打、3打点。成績自体は決して悪くないが、得点圏打率.143と好機でブレーキになる場面が目立つ。佐野をチャンスメーカーの二、三番に配置転換し、牧が四番に座るのも選択肢の一つだろう。

理想は坂本勇人、鈴木誠也


 牧は開幕直後に週刊ベースボールのインタビューで、「軸を大切にしています。ストレートと変化球の両方に対応できるようにするには、軸がぶれたら打撃になりません。変化球が来ても自分のスイングを心掛けるようにしていますね。まだストレートに差し込まれる部分もありますが、その部分は意識しています」と明かした上で、「プロ入り前から巨人・坂本勇人さん、広島鈴木誠也さんのように、真っすぐも変化球もしっかり対応できる右打者を理想としてきました。特に本塁打よりも率を残せるという部分は、見習いたい部分」と理想像を挙げた。

 さらに「ベイスターズに入団してからは、チームメートに打撃について質問しています。佐野(恵太)さん、宮崎(敏郎)さんはじめいろいろな打者に聞きに行ったりしています。佐野さんからは『自分の打撃というのを、知ることが大事』とキャンプで言ってもらいました。いろんなタイプの投手がいて、変化球もそれぞれ違う。その中で、自分の打撃を見失ったらダメ。そのために打撃フォームを固める重要性をアドバイスしてもらいました。自分の打撃の最大の長所であり、テーマにしているのは、先ほども言った『甘いボールを1球で仕留める』ことです。この部分を磨いていきたいです」と言葉に力を込めていた。

 DeNAは佐野、宮崎、ソト、オースティンと強打者がそろっている。牧をどの打順に組み込むかは得点力を高める上で大きなポイントになりそうだ。

写真=BBM
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