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強打者に成長したヤクルト・村上宗隆。清原和博と比較するとどれだけ差がある?

 


 今や若手トップのスラッガーといえるのがヤクルトの村上宗隆だ。入団2年目に36本塁打を放ち、昨季も短縮シーズンながら28本塁打をマーク。今季も好調で、ここまで17試合を終えてリーグトップの7本塁打を放っている。プロ4年で通算本塁打数は早くも72本に到達した。優秀な数字ではあるが、同じ高卒スラッガーのレジェンド・清原和博の記録と比較すると、どれだけの差があるのだろうか?

リーグトップクラスの成績を残している村上


今季も打撃が好調の村上


 まずは今シーズン開幕前までの村上の成績を振り返ってみよう。

●2018年
6試合 打率.083 1本塁打 2打点 長打率.333

●2019年
143試合 打率.231 36本塁打 96打点 長打率.481

●2020年
120試合 打率.307 28本塁打 86打点 長打率.585

通算:269試合 打率.263 65本塁打 184打点 長打率.466

 プロ1年目は、高卒選手ということで主にファームで過ごすことになったが、二軍で結果を出したことで9月16日に一軍に昇格。同日の試合で初打席初本塁打をマークした。残念ながら一軍での出場は少なかったが、二軍では打率.288、17本塁打、70打点の数字を残し優秀選手賞を受賞した。

 飛躍の1年となった翌2019年は、オープン戦から好調で、開幕スタメンを勝ち取ると5月には早くも10本塁打をマーク。四番にも抜擢され、最終的にセ・リーグの2年目選手としては最多となる36本塁打を記録した。また、96打点は高卒2年目以内の選手では歴代最多の数字となる。3年目の2020年もリーグ2位タイの28本塁打と活躍。入団から3年でチームの大黒柱に成長した。

清原のプロ1年目は別格だった


プロ1年目の清原


 現役の高卒4年目の選手の中では突出した成績を誇る村上だが、歴代最強の高卒選手と称される清原の成績と比べると、どれだけ差があるのか。清原の3年目までの成績を以下にまとめてみた。

●1986年
126試合 打率.304 31本塁打 78打点 長打率.584

●1987年
130試合 打率.259 29本塁打 83打点 長打率.525

●1988年
120試合 打率.286 31本塁打 77打点 長打率.539

通算:376試合 打率.283 91本塁打 238打点 長打率.549

 清原の1986年成績は高卒1年目選手とはとても思えないほどの圧巻の数字だ。31本塁打は大卒、社会人を含めたルーキー成績ではトップタイ。また、打率.304も実は驚異的な数字で、入団1年目で3割をマークしたのは1950年以降でわずかに8人。高卒では清原のみで、高卒1年目での3割30本塁打も清原しか残せていない数字だ。また、2年目、3年目もリーグトップクラスの成績が続いており、4年目には史上最速での100本塁打にも到達(21歳9カ月)している。

 1年目から驚異的な活躍を見せた清原と、1年目を二軍で過ごした村上とでは、当然ながら成績に大きな差がある。そこで、2年目以降の数字を比べてみると以下のようになる。

●村上宗隆
通算:263試合 打率.269 64本塁打 182打点 長打率.533

●清原和博
通算:250試合 打率.272 60本塁打 160打点 長打率.532

 打率は清原に軍配が上がるが、本塁打数、打点、長打率は村上が上回っている。たった2シーズンの比較ではあるが、2年目以降の村上は、歴代最強の高卒スラッガーを超える成績を残しているのだ。

 2年目以降の勢いなら清原以上の村上。今シーズンも引き続き好調で、20試合で打率.292、7本塁打、17打点(2021年4月20日終了時点)。本塁打と打点はリーグトップの数字だ。気の早い話だが、この調子を維持できれば、三冠王の獲得も夢ではない。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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