3年前に創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。 村山実の現役最終登板?
今回は『1972年10月16日号』。定価は100円。
大洋の
青田昇監督代行が倒れ、
宮崎剛ヘッドコーチが監督代行の代行となった。
8月31日、
別当薫監督の更迭(休養)のあと代行となった青田だが、チームの立て直しができず、急きょ宮崎をヘッドコーチに置いていた。
青田が腹に痛みを感じたのは9月21日。ただ、「病院に行けば入院させられるのは分かっている。胆のうなんだ」とほったらかしにしていた。評論家時代にも胆のうで1カ月入院したことがあったが、「前のときより悪い」とも言っていた。
我慢しきれず結局、病院に行くと、そのまま入院。もはやシーズン中の復帰は不可能という。
秋季キャンプも宮崎が指揮を執るというが、さてその先はどうなるか。
阪神では去就に揺れる村山実兼任監督が10月7日の
巨人戦(甲子園)で先発登板することになった。
「1年間、タイガースと私を応援してくださったファンへ感謝を込めて、もう一度力いっぱい投げたい」
と本人は言っていた。村山はこの試合には家族も呼んでおり、周囲は「これがプロ最後になるから家族に見せておこうとなったんでしょう」と言っていた。
村山自身も、
「まだ1週間に一度くらいならいいピッチングができるが、プロはそんな甘いものじゃない。自分の力は自分が一番知っている。引き際だけはきれいにしておきたい」
と話していた。1週間に1回なら、とも思ったが、そんな時代だ。
さらに監督問題については、
「オフになったら球団との話し合いですべて決まるでしょう。それまでは……」
と口をつぐんだ。
では、また来週。
<次回に続く>
写真=BBM