開幕してから約1カ月が経過したパ・リーグ。連日熱戦が繰り広げられているが、果たして各球団は順調に戦うことができているのか。パ・リーグ6球団の開幕からの戦いぶりを100点満点で採点した。 記録は4月26日現在 福岡ソフトバンクホークス
1位・ソフトバンク 65点
現在、首位には立っているものの、決して順風満帆というわけではない。何よりも大きいのが、エース・
千賀滉大の離脱だ。6日の試合で左足首のじん帯を損傷し、前半戦は絶望となった。だからこそ奮起が期待された先発陣だが、ここまではピリッとせず。特に先発再転向の
高橋礼をはじめとして制球難に苦しむ選手が多く、
工藤公康監督は9連戦を前にローテ再編に乗り出す模様だ。打線は主力にケガ人もいない状況で打率リーグトップの.267ながら、今一つ得点力に欠けるのが気になるところ。24日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)も、19安打を放ちながら9安打のロッテに9対11で敗れた。ただ、投打がかみ合えば、他を寄せ付けない圧倒的な強さを見せつけるのがソフトバンク。主砲・
柳田悠岐もようやくエンジンがかかってきた様子で、リーグトップの打率.365をマークする
グラシアル、同7位.302の
栗原陵矢へとつなげて得点を稼いでいきたい。また、扇の要・
甲斐拓也がリーグ3位の打率.324とバットが好調で頼もしい。この状況を打破する戦力は十分だ。
東北楽天ゴールデンイーグルス
4月24日の西武戦(楽天生命パーク)で楽天復帰後、初勝利を挙げた田中将
2位・楽天 70点
開幕から4カード連続で勝ち越しも、その直後に2カード連続勝ち星なし。特にソフトバンクに対しては3敗3分けと未勝利であり、安定感には欠けている。それでも貯金4の2位は上出来か。先発陣では先発した5試合すべてでクオリティー・スタート、3勝負けなしの
涌井秀章と、新人ながらすでに3勝(2敗)をマークしている
早川隆久が充実。負傷で出遅れた
田中将大も開幕約1カ月後に復帰後初勝利を挙げ、ようやく理想の形となった。攻撃陣は4月下旬に合流した新助っ人・
ディクソンが早くも本塁打を放つも、
カスティーヨは一軍初打席で負傷離脱。好調な四番・
浅村栄斗の前後を組み替えながら、得点力アップへ試行錯誤しているのが現状だ。
千葉ロッテマリーンズ
安田がリーグトップの打点を稼ぐなど主軸が好調のロッテ
3位・ロッテ 85点
開幕5連敗からのスタートも、早くも完済して貯金生活に。首位・ソフトバンクと1ゲーム差につけるなど、巻き返しに成功したのは、打線の奮起が大きい。長打力ある
マーティンが二番に座って、リーグトップの8本塁打を放って21打点。四番・
安田尚憲も5本塁打でリーグトップの28打点と荒稼ぎ。三番・主将の
中村奨吾も20打点と、安田、マーティン、中村奨がリーグ打点上位3位までを独占し、12球団トップのチーム計137得点と打線が活発だ。ただ、抑えの
益田直也の不安定で、勝ち試合を落とすケースも。昨季の躍進を支えたブルペンが復調してくれば、悲願の優勝も現実味を帯びてくる。
埼玉西武ライオンズ
4月22日のオリックス戦(京セラドーム)、2試合続けて抑えに失敗した西武・増田
4位・西武 50点
開幕から主力野手にケガ人が続出し、一時は開幕オーダーに名を連ねた4選手が一軍から姿を消した。それでも新人の
若林楽人や二軍から上がってきた
呉念庭、
愛斗らの活躍で上位に踏みとどまっていた。しかし、4月17日のソフトバンク戦(メットライフ)から2分けを挟んでの6連敗。10日近く勝ち星に恵まれず、借金2の4位にまで沈んでしまった。
森友哉や
中村剛也と言った中軸の状態が上がらず、得点能力が低下。
松本航、
浜屋将太がローテーションから外れ、先発陣も再編されている。リリーフ陣で勝ち切るのが必勝パターンだが、18日のソフトバンク戦(同)、22日のオリックス戦(京セラドーム)と守護神の
増田達至が抑えに失敗し、勝利を得られなかったのも痛かった。まずは連敗ストップ。1つ勝てば、流れは変わってくるはずだ。
オリックス・バファローズ
勝負強さを発揮しているオリックスのベテラン、T-岡田
5位・オリックス 50点
山本由伸、
山岡泰輔を筆頭に先発陣は安定。チーム防御率はリーグトップの3.10を記録していることが、借金3で踏みとどまれている一因だ。ただ、不安材料は多く、20歳の
太田椋、19歳の
紅林弘太郎ら若手を積極起用していることもあって、守備や走塁など細かなミスが多く、試合の主導権を明け渡すことも。抑えも
漆原大晟が不振、
平野佳寿が離脱し(27日から一軍合流の見込み)、代役・ストッパーの
ヒギンスも制球が不安定と、勝ち切れないことも多い。それでも、T-岡田が得点圏打率.500をマークして勝負強さを見せるなど、明るい材料もある。打線も徐々に得点力が上がっているだけに、5割復帰で上位を追随したい。
北海道日本ハムファイターズ
6位・日本ハム 30点
開幕から1カ月、25試合を消化した時点で7勝14敗4分けの最下位。ともにリーグワーストの防御率4.20と打率.215では当然の順位だ。投打のかみ合わない状況が続く現時点での評価は30点といったところか。打率、安打、本塁打、打点、得点で最下位に沈む打線の低迷と、防御率5.36のリリーフ陣の崩壊は深刻。25試合で22通りもの打順やメンバーの入れ替えを行うも打線の爆発には至っていない。チーム7勝のうち抑えの
杉浦稔大が6セーブ。9対4で快勝した開幕カードの3月27日の楽天戦(楽天生命パーク)以外はすべて3点差以内の勝利だ。打線が湿りがちな僅差勝負では今後もリリーフにかかる負担は大きくなる。リードを守り切れない中継ぎ陣と攻撃陣の奮起が待たれる。
写真=BBM