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【序盤戦チェック】パ・リーグ6球団「先発投手陣事情」は?

 

開幕から1カ月以上が経過したパ・リーグ。果たして、先発陣はしっかりと勝利を積み上げることはできているのか。パ・リーグ6球団の先発投手事情を見ていこう。
記録は4月30日現在

オリックス・バファローズ



 開幕投手の山本由伸を、球数など疲労を考慮しながら中5日で起用。山岡泰輔も同様で、先手必勝を狙った。さらに高卒2年目の宮城大弥が台頭して2勝負けなし、防御率1.26と安定した投球を見せるなど先発防御率はリーグトップの2.51を記録。打線との兼ね合いで、勝ち星こそ伸びていないものの、先発陣はリーグ屈指の布陣だ。最大の武器を生かして5月反攻へ。田嶋大樹が4月28日に登録抹消で、先発ローテを再編し、増井浩俊山崎福也竹安大知を加えた布陣で巻き返しを図る。急性胃腸炎で離脱していた宮城も5月4日の復帰登板が濃厚で、田嶋は翌11日の週から再びローテ入りする見込み。打線の奮起と救援陣が安定すれば、リーグをかき回す面白い存在だ。

福岡ソフトバンクホークス



 厳しい状況が続いている。千賀滉大東浜巨の2本柱のほか新外国人のC.レイN.マルティネスを欠いての開幕となったが、頭数自体はそろっていた。しかし、なかなか踏ん張り切れず、今季もリリーフ陣頼みの様相に。流れが変わるかに思われた千賀の合流も、試合中に左足首のじん帯を損傷。エースが前半戦絶望という不測の事態に加えて、9連戦直前には開幕からふがいない投球が続いていた高橋礼が再調整となった。先発ローテーションの再編に次ぐ再編で苦境を打破できるか。頼もしいのは、40歳のベテラン左腕・和田毅。今季も開幕ローテ入りして、ここまで2勝。制球に苦しむ投手が多い中で、打たれることもあるが自滅することは少ない。石川柊太も勝ちにはつながらないものの、毎試合100球を超える粘りの投球は見せている。また、5月1日のオリックス戦(京セラドーム)ではマルティネスが新天地デビューを果たす。救世主としての期待がかかる。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 楽天の先発陣の中で最も安定した投球を続けているのが、2年連続、そして通算10度目の開幕投手を任された涌井秀章だ。ここまで先発した6試合のうち5試合でクオリティースタート(QS)の4勝0敗、防御率1.51と抜群の安定感を見せている。岸孝之則本昂大と岸孝之は5試合中4度のQSで2勝をマーク。そして目覚ましい活躍を見せているのがドラフト1位ルーキーの早川隆久で、田中将大、則本昂もできなかった「4月までに3勝」をやってのけた。出遅れた田中将もすでに復帰後初勝利を上げており、この5人が離脱することなくしっかり機能すれば、大型連敗のリスクも極めて低くなりそうだ。

千葉ロッテマリーンズ



 石川歩が足のコンディション不良で開幕に間に合わず。その間、開幕直前に支配下登録された本前郁也がローテに入ってプロ初勝利を挙げるなど穴を埋めた。4月21日には開幕投手を務めた二木康太がコンディション不良で登録を抹消されると、23日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)で中村稔弥が5回1失点と好投。代わりの選手が奮闘しつつ、岩下大輝がチームトップの3勝、ドライチ左腕・鈴木昭汰が5試合に先発して防御率2.45と安定感ある投球を見せるなど故障者が出てもコマ不足に陥っていない。石川、美馬学の両ベテラン右腕が奮起すれば、さらに強固になる。今季の打線は得点力を見込めるだけに、先発陣の安定が今後の1つのカギとなりそうだ。

埼玉西武ライオンズ


西武上間永遠(左。右は辻発彦監督)


 開幕先発ローテーションは高橋光成浜屋将太平井克典松本航今井達也、上間永遠の6人だった。高橋、平井は合格点のピッチングを見せ、今井も課題の制球難はあるが粘って試合をつくれるように。上間は4月27日のロッテ戦(メットライフ)でチームの連敗を6で止めるプロ初勝利を挙げ、今後に期待を抱かせる。しかし、浜屋は4試合で1勝3敗、防御率7.02と結果を残せず二軍落ち。松本も3試合で1勝2敗、防御率4.24ながら内容が悪く中継ぎへ配置転換された。代わりに伊藤翔本田圭佑が先発陣に組み込まれたが、伊藤は29日のロッテ戦(同)でわずか1/3回を2安打3四球4失点でKO。その試合で緊急救援した松本が5回2/3、1失点と好投し、先発復帰の可能性も。さらに、5月3日のオリックス戦(同)で新外国人左腕のダーモディが初先発する見込みだ。

北海道日本ハムファイターズ



 開幕直前までエース・上沢直之以外は横一線で先発ローテーション投手が確定しない異常事態となっていたが、ペナントも1カ月が経過し先発ローテの陣容は固まってきた。上沢、加藤貴之、池田隆英が2勝ずつをマーク。5試合連続クオリティースタートと好投してきたルーキー・伊藤大海も4月28日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で待望の初勝利を挙げた。この4投手に来日が遅れていたバーヘイゲンが加わり先発ローテを形成。調子の上がってきたエース・上沢と、ここまで防御率2.73、2勝負けなしと安定している加藤が軸となるだろう。ルーキーらしからぬマウンドさばきを見せる伊藤も、勝ち星が計算できる投手で今後も先発の一角を支えていく。

写真=BBM
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