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【MLB】盤石、王者ドジャースを支える選手層の厚さ

 

ベテランの力が落ちたとしてもそれを補うだけの若手選手がつぎつぎと出てくるドジャース。今季も優勝候補筆頭だ



 前年度王者で、今季も優勝候補の筆頭ドジャースが好調だ。4月14日終了時点で10勝2敗と順調に勝ち星を積み重ねている。負けた7日のアスレチックス戦も9回まで3対2とリードしながら、ケンリー・ジャンセンが同点にされ、延長10回に勝ち越されたもの。勝ちパターンだった。

 もう一つの負け試合は開幕戦でクレイトン・カーショーがクアーズ・フィールドで6回途中10安打6失点(自責5)と大荒れだったからだが、その後の2試合は13回を投げて1失点と本来の力を発揮している。

 ジャンセンもだめだったのは1試合だけで、5試合で5回2/3を投げ1安打1失点、3セーブ。以前に比べて力が落ちたのは確かだが、仮に彼が結果を残せなければ、ここまで6試合登板で無失点のコリー・クネバルが控える。左腕ビクトル・ゴンザレスも安定している。ドジャースの最大の強みは層の厚さだ。

 序盤コディ・ベリンジャーがふくらはぎ、ムーキー・ベッツが腰と元MVP2人が試合を休んだのだが、控え選手のザック・マッキンストリーが代わって出て11試合で打率.333、3本塁打、4二塁打、11打点の活躍。守備では二塁、レフト、ライトを守った。ドジャースはベテランのユーティリティ選手キケ・ヘルナンデスをFAで失ったばかりだが穴を埋める。

 マッキンストリーはセントラルミシガン大出身の遊撃手でパワーはないと評価され、2016年にドラフト33巡と下位で指名された。全体では1001番目だった。それがファームで力をつけて上がってきた。実はドジャースのドラフト16年組は大豊作なのだ。

 1巡目指名のギャビン・ラックス二塁手、ウィル・スミス捕手、3巡目のダスティン・メイ投手、7巡目のルーク・レイリー外野手、9巡目のトニー・ゴンソリン投手はじめ、これでメジャー昇格を果たしたのは11人目。生え抜きの、FA前の選手は年俸も安いため、ここでお金をセーブでき、ゆえにベッツやトレバー・バウアーなど他球団出身のスターに3000万ドルを越す年俸を払うことができる。

 ちなみに新型コロナでドラフトを通常の40巡までではなく、20年は5巡目だけ、21年は20巡目までとしたが、歴史が証明するように、33巡目でも掘り出し物は出てくるし、優れた球団は才能を見つけ出すのがうまいのだ。

 36歳のベテラン、ジャスティン・ターナー三塁手も元気だ。昨オフはFAとなり、移籍の可能性もあったが2年3400万ドルで残留。10試合で打率.390、3本塁打、11打点である。その上で中核として最盛期を迎える選手たちがいる。打ではコーリー・シーガー、マックス・マンシーらが打率3割代後半だ。

 先発投手陣ではウォーカー・ビューラー、メイが防御率1点台、トレバー・バウアー、フリオ・ウリアスが2点台。ポストシーズンも含め、2500イニング以上を投げてきたカーショーが峠を越していたとしても、ほかの投手が軒並みエース級なのだ。4月は同地区の宿敵パドレスと7試合を戦い3勝4敗と負け越したが、今後の戦いを考えると、層の厚さでドジャースに一日の長がありそうだ。

文=奥田秀樹 写真=Getty Images
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