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楽天・石井監督も「欠かせない選手」。9回打ち切りの今季だからこそ存在感が光る村林一輝、武藤敦貴

 

好調な楽天で欠かせない存在となっている村林(左)、武藤


 試合が9回打ち切りとなる今季は引き分け試合が多くなるため、シーズン終盤にはこの引き分け数が優勝を大きく左右するかもしれない。それだけに9回の攻防は目が離せない展開が増えている。

 延長戦がないだけに重要となるのが試合後半の守備力だ。抑え投手の負担は増えているように感じるが、楽天では例年以上に守備固めの選手の存在も目立っている。そのポジションに滑り込んだのが内野では6年目の村林一輝、外野では2年目の武藤敦貴の2人の若手だ。打席が回ってくることが少なく、打率はともに1割台と物足りなさは残るが、それでもチームに欠かせない存在となりつつある。

 石井一久監督は「武藤は中期的な話をすればもう少し打席数を与えたい選手ですが、今の上(一軍)の勝ちゲームに欠かせない選手になってくれている」とそのプレーを評価しつつも複雑な胸中を口にした。それもそのはずで、武藤は昨季、開幕前の紅白戦で右肩を脱臼し、二軍でわずか3試合と試合経験が少ない。2年目の今季は初の開幕一軍を勝ち取ると、3月26日の日本ハム戦(楽天生命パーク)で守備からプロ初出場を果たし、4月6日の西武戦(メットライフ)でようやく初安打をマークした伸び盛りの若手だ。

 一方で村林は昨季イースタン・リーグ連覇に貢献し、ファーム日本選手権ではMVPを獲得する活躍を見せたが、昨季までの5年間で一軍出場は81試合。今季は開幕一軍入りを果たすも、代走や守備固めでの出場がメーンだ。それでも今季3度目のスタメン出場となった5月4日のソフトバンク戦(PayPayドーム)でプロ初本塁打を放つなど、少ないチャンスを生かしアピールを続けている。

「武藤の守備なしではゲームを締められないし、村林もそうですけど、ああいうプレーヤーがしっかりバックアップにいてくれることでチームとしては後半が戦いやすい」と石井監督は厚い信頼を置く。コロナ渦で制限のかかる試合は増えているが、だからこそ得られるチャンスもある。試合の終盤、代走や守備固めで出てくる選手たちも優勝に欠かせぬ選手であることは間違いない。打撃も含め今後の成長が楽しみだ。

文=阿部ちはる 写真=BBM
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