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土肥義弘が青春謳歌の地で感慨。晴れて西武のフレンドリーシティに「春日部の子どもたちに還元したい」

 

締結式の様子(左から居郷肇球団社長、石川良三春日部市長、土肥義弘氏(球団提供)


 土肥義弘、と聞けば、その名に聞き覚えのあるファンも多いだろう。現在は球団本部 チーム統括部 編成グループ 国際業務チーフ兼企画室として主に外国人選手のスカウト業務を担っているが5月1日、人生のターニングポイントになったと語る思い出の地を訪れた。場所は埼玉県の春日部市役所。土肥が高校時代の3年間を過ごした土地だ。今から29年前、野球に没頭していた土肥は、甲子園を目指し、春日部共栄高の門を叩いた。「この場所で野球をやっていくんだ!」と中学生ながらに強い意志を持っていたという。

 土肥が再びこの地に訪れたのには理由がある。西武ライオンズは地域コミュニティ活動「L-FRIENDS」の一環で、埼玉県内の各自治体と連携協力に関する基本協定を結んできた。ここまでその数54市町村。そのたびに各役所で、フレンドリーシティになるための締結式を行ってきた。そして栄えある55市町村目となるフレンドリーシティが春日部市、だったというわけだ。通常は居郷肇社長と球団マスコットらがこの締結式に出席するが、「春日部市と言えば土肥だろ」という居郷社長の鶴の一声? で急遽、土肥の出席が決まったのだった。

 一方で、スーツに身を包んだ土肥は、感慨深げな表情で、春日部市役所入り。締結式の中では春日部市への感謝の思いを口にした。「甲子園で準優勝したときにはパレードもしていただきました。でも一番印象に残っているのは母と(中学校の)野球部顧問と春日部共栄の練習に参加したとき。緊張したけれど、『俺はここで野球をやる』と決めた日でした。それは私の人生のターニングポイントでした」。

 そんな土肥にとっての思い出深い大切な場所もこの日を境にライオンズのフレンドリーシティになった。「これを機に、ライオンズのアカデミーコーチが春日部市の小学校に訪問することもできます。小学生が野球を学ぶ、何か子どもたちにとってインスピレーションを感じる、人生のターニングポイントになるきっかけになれば素晴らしいものだと思います」と今後の展望を語った土肥は、「春日部の子どもたちに自分の経験を還元したい」と続けた。

 西武は今年、東秩父村、長瀞町、幸手市、上里町、そしてこの春日部市と連携協定を締結してきた。フレンドリーシティとなった各自治体には、レオとライナや公式パフォーマー・ブルーレジェンズが幼稚園・保育園などを訪問したり、小学生、園児をライオンズ主催の公式戦に抽選で招待するなど、一段とライオンズとの接点が増えていくのだ。加えて、町の施策や広報などにライオンズの商標・肖像の活用が容易にもなる。一方で、埼玉県内にフレンドリーシティが増えていくことはライオンズにとっても心強いこと。これを機にまたひとり、「L」のキャップを被る子どもが増えれば、山賊たちにとってこれほどうれしいことはない。
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