チームが優勝するために外国人選手の活躍が必要不可欠なのは言うまでもない。今年は新型コロナ禍の影響で助っ人の来日が遅れて開幕に間に合わず、影響を受けた球団は多々あった。現在はほとんどの外国人選手がチームに合流しているが、ここまでの働きぶりは――。パ・リーグ6球団の外国人選手事情を100点満点で採点する。 記録は5月10日現在 東北楽天ゴールデンイーグルス
楽天 40点
新助っ人に関してはアクシデント続きだ。野手のディクソンと
カスティーヨは3月末に来日し、自主隔離期間を経て二軍戦に出場。そろって一軍に合流すると、4月24日の
西武戦(楽天生命パーク)でスタメンデビューを果たした。ところが、カスティーヨが第1打席でスイングした際に左腹斜筋を痛めて負傷交代。翌日に登録抹消となってしまう。右の大砲として期待されるディクソンも、ここまで13試合に出場して本塁打は1本のみ、打率.143と本領発揮には至っていない。さらに未来日だった左腕の
コンリーは、コロナ禍により家族のビザ発給が難航。球団と協議した上で5月6日に契約解除となった。大幅戦力アップの目論見は、早くも崩れてしまった。
福岡ソフトバンクホークス
ソフトバンク 50点
投打に欠かせないキューバ勢が2月中に来日。Y.
グラシアル、A.
デスパイネは開幕からスタメンに名を連ね、調整不足で開幕こそ二軍スタートだったL.モイネロもすぐに一軍昇格を果たしたことは、チームにとって大きかった。とは言え、ここまで万全なのはモイネロのみだ。デスパイネは下半身のコンディション不良でファーム調整中。グラシアルは8日の西武戦(PayPayドーム)で右手を剥離骨折し、長期離脱を余儀なくされた。こんなとき代わって出てきてほしいW.
バレンティンも、まだまだ調整が足りない様子。しばらくは純国産打線で乗り切るしかない。一方の投手陣は、先発に
N.マルティネスが加入。5月7日の西武戦(PayPayドーム)も負け投手にはなったが7回2失点と試合は作り、今後にも期待十分。同じく新外国人の
C.レイも、早ければ15日のウエスタン・
中日戦(タマスタ筑後)で実戦デビュー。外国人枠に余裕があるだけに、2人そろって先発ローテにハマれば頼もしい限りだ。
千葉ロッテマリーンズ
ロッテ 80点
好調な打線をけん引しているのが二番に座るマーティンだ。リーグトップの10本塁打で26打点を稼ぎ、
荻野貴司との一、二番コンビで得点を生むことも多々。好機で三番以降につなぐこともあり、六番に座る
レアードも要所で適時打や犠飛などを放って打線に厚みを与えている。新型コロナの影響で来日が遅れ、4月30日に一軍合流した遊撃手の
エチェバリアは攻守ともに日本野球に順応中だが、投げては
ハーマンが今季もセットアッパーに君臨。開幕直後は痛打を浴びるケースもあったが、徐々に復調してきた。若手、中堅、ベテランとバランスの取れたチーム構成に加えて、助っ人たちも奮闘。開幕5連敗も貯金生活でAクラスに食い込んでいるのは、助っ人の活躍も大きい。
埼玉西武ライオンズ
西武 50点
新型コロナ禍により、5人の外国人選手のうち、開幕前に来日できたのはギャレットのみだった。来日2年目右腕は今季もリリーフで剛腕を披露。
増田達至が二軍再調整となっている現在、クローザーを務めているが、7ホールド2セーブ、防御率1.80と好成績を挙げてチームの勝利に貢献している。新外国人左腕の
ダーモディは5月3日の
オリックス戦(メットライフ)で来日初先発。勝敗はつかなかったが5回無失点と好投を見せ、今後に期待を抱かせる。先発ではほかに
ニールが二軍調整していたが、5日のイースタン・楽天戦(CAR3219)では7回2失点と状態は上向いている。野手では
スパンジェンバーグが4月23日に一軍登録されたが、ここまで打率.158。
メヒアは二軍で打率.240、2本塁打とまだ調子は上がってきていない。現状では一軍戦力となっている外国人は少なく、総合的な採点としては50点か。
オリックス・バファローズ
オリックス 20点
来日が遅れたのは
ロメロ、ディクソン(いまだ来日未定)のみと他球団に比べて新型コロナの影響は小さかったが、助っ人たちが軒並み低調だ。打線の中軸として期待されたモヤが打率.265、3本塁打も、5月に限れば打率は1割台で、ジョーンズも打率.215、1本塁打。セットアッパーやクローザーとして期待された
ヒギンスも腰痛で離脱した。ロメロが5月2日に一軍昇格し、4日の西武戦(メットライフ)で値千金の代打同点2ランを放つも、23打席で11三振と状態が上がっていない。
吉田正尚、
杉本裕太郎らが好調を維持し、打線が活発になりつつあるだけに、助っ人たちが調子を上げれば、さらに打線に怖さが増すはず。復調が待たれる。
北海道日本ハムファイターズ
日本ハム 70点
新型コロナウィルスの影響で来日が遅れ、王柏融以外の4選手はシーズン途中での合流となった。左腕・
アーリンは3試合に登板し防御率7.20、内外野守れるR.
ロドリゲスは14打数無安打と新外国人は不発。
バーヘイゲンは5月7日の楽天戦(札幌ドーム)で初勝利を挙げ今季も先発ローテーションの一角を担う。二軍調整中の
杉浦稔大に代わり抑えを務めるB.ロドリゲスは3ホールド1セーブ、防御率0.00と安定。4月27日に今季一軍初昇格の王も絶好調だ。3年契約最終年を迎えた台湾の4割打者がようやく本領発揮、打率4割超えをマークしている。新助っ人は今のところ期待外れだが、戦力不足の穴を埋めるバーヘイゲン、B.ロドリゲス、王の貢献度は高く総合的には70点。
写真=BBM