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井納翔一、平内龍太、鍵谷陽平…巨人の救援陣でカギを握る投手は?

 

FA移籍1年目で苦しむ井納


打ち込まれる登板が続き、苦悩する井納


 リーグ3連覇を狙う巨人で不安を抱えるのが救援陣だ。

 気がかりなのはセットアッパーの中川皓太だろう。2019年は67試合登板で4勝3敗16セーブ17ホールド、防御率2.37とブレークして、昨季も37試合登板で2勝1敗6セーブ15ホールド、防御率1.00と抜群の安定感だったが、今季は球に本来のキレがない。5月7日のヤクルト戦(東京ドーム)は2点リードの8回に救援登板したが1イニングを投げ切れず、4失点と打ち込まれた。2勝2敗7ホールド、防御率3.86と苦しんでいる。

 最速164キロ右腕・ビエイラ桜井俊貴も結果を残せずファームに降格。守護神・デラロサも米国の市民権申請手続きのため4月中旬にチームを離脱し、再合流するのは5月中旬以降になる見込みだ。

 苦しい台所事情で、変則左腕・高梨雄平とともに奮闘しているのが鍵谷陽平だ。19年途中に日本ハムからトレードで加入した右腕は勝負どころで腕を振れる強靭な精神力と制球力を武器に、勝敗を左右する大事な場面で結果を残し続けている。今季も粘り強い投球は健在で、原辰徳監督に「暫定の守護神」に指名されるなど信頼は厚い。

 一方で早くも正念場を迎えているのが、昨オフにDeNAからFA移籍した井納翔一だ。先発ローテーションで期待されたが、移籍後初登板となった3月31日の中日戦(バンテリン)で2回途中4失点KOの乱調。即二軍降格を命じられ、ファームで1カ月以上過ごした。5月4日に救援要員で昇格したが、7日のヤクルト戦(東京ドーム)で先頭打者のサンタナに被弾とスムーズにいかない。12日のDeNA戦(横浜)でも8回二死から登板したが牧秀悟に一発を浴びた。

巨人では先発で結果を残せず、リリーフに活路を見いだした大竹


 今後も救援で活躍を目指すなら、身近に良きお手本がいる。今年で38歳を迎えるベテラン・大竹寛だ。広島時代から先発で活躍し、FAで巨人に移籍したが先発で結果を残せず、19年のシーズン途中に救援に配置転換。32試合登板で4勝0敗8ホールド、防御率2.77、翌20年も29試合登板で1勝2敗16ホールド、防御率2.59と右のセットアッパーとしてよみがえった。井納も35歳とベテランの域に入ったが、直球、変化球の質は高い。新たな役割で輝きを取り戻せるか。

潜在能力が高いドラフト1位右腕


ドラフト1位右腕の平内。力強いボールは魅力的だ


 最も伸びしろを感じさせるのはドラフト1位右腕・平内龍太。4月に救援で2試合登板して防御率8.31。ファームでの調整を経て5月11日に一軍昇格したが、潜在能力は高い。

菅野智之2世として巨人に入団時は先発で期待する声が大きかったですが、亜大で救援登板が多かったように本来は救援向きの投球スタイルです。150キロを超える直球と落差の大きいスプリットの2種類で十分勝負できる。カーブなど緩い変化球を投げるときにフォームも緩んでしまう傾向があるので、力でねじ伏せるスタイルに特化したほうが良いと思います」(スポーツ紙のアマチュア担当記者)。

 今年のドラフト1位は当たり年だ。阪神佐藤輝明がリーグトップタイの10本塁打をマークし、広島の栗林良吏も守護神に抜擢されてデビュー戦から続く連続無失点の新人記録を16試合に更新している。パ・リーグに目を移すと、楽天早川隆久ロッテ鈴木昭汰が開幕から先発ローテーションに入り、きっちり試合をつくる登板を続けている。

 平内も負けていられない。一軍で右のセットアッパーとして活躍すれば、チームの救世主になる可能性は十分に秘めている。

写真=BBM
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