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見せた主砲の真骨頂! 優勝に向けて慶大・正木智也が立大戦で価値ある一発

 

ホームランは試合の流れを変えることができる


慶大の四番・正木智也は立大2回戦(5月16日)で、1対1の8回表二死一、二塁から左中間へ勝ち越し3ランを放った


 チームの窮地を救うのが、四番の仕事だ。

 慶大は立大1回戦(5月15日)を11対4と快勝した。2本塁打を含む15安打と攻撃陣が活発。立大はこのカード2連勝でリーグ制覇という星勘定であっただけに、優勝を阻止する価値ある1勝だった。慶大は6勝1敗(立大は5勝1敗1分け)で単独首位に立った。

 慶大・堀井哲也監督は立大戦を前に、打順をテコ入れした。「正木が相当、マークされている。四番の前後を固めないといけない」。打撃好調の八番・福井章吾(4年・大阪桐蔭高)を三番に上げ、三番だった下山悠介(3年・慶應義塾高)を五番に据えた。この起用が見事はまり、福井は3ランを含む4打点、下山も2安打2打点と打線がつながった。

 四番・正木は1安打1打点。正直、こういった一方的な展開のゲームでは目立たなくていい。もっと、大事な場面が必ず、訪れるはず。この試合を終え、打率.208、2本塁打、8打点。トータルの数字だけで見えない、ここ一番での勝負強さを見せていた。

 立大2回戦で、主砲の真骨頂を見せた。1対1の8回表二死一、二塁から勝ち越し3ラン。5試合で10イニング無失点を続けていた立大のリリーフエース左腕・宮海土(3年・国学院栃木高)からと、価値ある一発であった。この試合を終え、打率.222は慶大で規定打席に達している8人のうちで最下位。とはいえ、3本塁打、11打点はチームトップで、リーグ内でも立大・東怜央(4年・福岡大大濠高)と並ぶトップタイの成績だ。

 慶大は4対1と立大に2連勝し、2019年秋以来の優勝に近づいた。条件付きだが、空き週である第7週にもリーグ制覇が決まる。

 シーズン開幕前、正木はこう語っていた。

「ホームランは試合の流れを変えることができる。相手へのダメージも大きいですから、こだわっていきたい部分です」

 言葉のとおり、一発で試合を決めた。右のスラッガーはNPBスカウト注目の存在であり、今後も長打力から目が離せない。

文=岡本朋祐 写真=矢野寿明
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