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高橋朋己、宮田和希の“タメ”コンビがアウェーをホームに変えた!/L-FRIENDSトピックス

 

次回に向けて球団事務所に戻り、作戦を立てる高橋コーチ(球団提供)


 時置かずして、再び西武高橋朋己アカデミーコーチが赴いたのは、埼玉県秩父市の秩父第一小学校。今度は“かーくん”と慕う同級生の宮田和希アカデミーコーチとのコンビでベースボール・チャレンジ(野球教室)を行うためだった。この日の授業は2コマ。まずは3、4年生44人を相手に45分、そして5、6年生43人を相手にこちらも45分の時間を使って、「ボールの捕り方」「ボールの投げ方」を行い、「野球型ゲーム」で盛り上がったのちに質疑応答で締める、というメニューだった。ところが、事前アンケートの結果、野球を習っている子どもは「0」人。44人いる3、4年生の中で野球好きと答えたのは、10人、そして5、6年生43人の中で同じく回答したのは15人と少々? アウェーなシチュエーション。同級生の左腕コンビは一体どのように子どもたちのハートをつかんでいったのか?

 早速、授業を開始した2人だが、ボールを手にした小学生たちは心底、興奮しているというわけではない。野球ボールの“扱い方”も「普段は違うスポーツが好きなんだろうな」と感じさせるような子どももいた。一方で高橋コーチはたとえ自分の名が知られていなくても、現役時代同様、“先手勝負”に出る。明るくどんどん子どもたちには自ら声をかけると、すぐにその場は温まり、自らがキャッチボールの見本を示すと、子どもたちの視線をそこでものにした。

「投げて、捕る、野球のこの動作だけでも楽しいと思ってもらいたいんです」

 考え方はシンプルではあるが、高橋コーチ、宮田コーチの情熱が子どもたちの笑顔を増やしていった。そして野球型ゲームをするころには1つレベルの上がった小学生たちが、投げて、捕って、走って、校庭をいっぱいに使って野球に夢中になっていた。

「僕自身、本当に楽しかった。1回の授業は45分。始まる前と終わった後で、子どもたちと野球の距離が縮まっていると感じるのがうれしいんです」と笑顔を見せた高橋コーチ。授業がすべて終わってからも、子どもたちが野球とは関係のない? 質問をしてきてくれたのは、両コーチを通じて、野球とライオンズが身近に感じた証だ。

「野球って当たり前のことを当たり前にできるようにしてくれると思うんです。ほかのスポーツでも同じことが言えるかもしれません。僕は挨拶とかしっかり靴をそろえたり、社会的な常識だったり……。そういったことは、野球をやっていたから若くして身に着いたんじゃないかと思っているんです」 

 野球に出会い、ここまで続けてきたからこそ今の自分がある。一人でも多くの子どもに、そんな素晴らしい出会いをしてほしい。できればこの先、野球を好きになってほしい、という想いを込めながら、高橋コーチは次回のライオンズアカデミーの準備に向かっていった。
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