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川口和久WEBコラム

羽月隆太郎、ボールもつかんだチャンスも落とすなよ/川口和久WEBコラム

 

つなぎの二番打者として期待したい


エラーのあと5月8日の中日戦ではホームランを打ってヒーローに



 きのうの試合、新型コロナで選手が大量離脱となった広島が10対2と快勝した。
 2失点完投の九里亜連はさすがだったが、打線では初のスタメンマスクをかぶった4年目の中村奨成が2安打2打点、二番・センターに定着している3年目の羽月隆太郎も3安打1打点。佐々岡真司監督もホッと一息だろうな。

 小兵の羽月は、いわゆる今風の強打の二番ではなく、足も速い、つなぎのタイプの二番だが、DHのないセは八、九番に高い出塁率は期待できない。阪神糸原健斗もそうだけど、俺はつなぎタイプのほうがカープには合ってるかなと思う。打線はつながるし、得点力も高くなるしね。

 本人は思い出したくないだろうが、羽月と言うと、5月5日のマツダ広島、広島─巨人戦を思い出す。
 俺が達川光男さんとダブル解説をした試合だが、14時の開始で、だんだん西日が強くなった。
 あれは16時くらいだったかな。7回、巨人・炭谷銀仁朗のセンターフライで、太陽の光が目に入った羽月が打球を見失い、自分の前に落ちた(記録はヒット)。「本拠地でなぜ?」ってみんな思っただろうけど、登録は内野手だし、まだ一軍経験も少ないから仕方ないかな。
 そのあと巨人のセンター・丸佳浩も同じような動きをしたけど、すくうように捕って、ことなきを得た。ずっと広島にいた丸でさえ、そうなんだから、かなり見えづらかったんだろうね。

 球場の場所は違うが、太陽のいたずらは昔から広島につきもの。今はキャッチャーの上からだけど、昔の市民球場はレフトからだった。
 ファーストの水谷実雄さんがサードやショートからの送球を受ける際、光が目に入って捕れなかったことが何度もあった。俺も左打席に入ったとき右投手の大きなカーブが消えたことがある。
 
 でも、そのあと5月8日の中日戦(バンテリン)ではプロ初本塁打でヒーローになった。恥ずかしかったとは思うが、すぐ取り返すあたり芯は強いんだろうね。
 羽月君、若いんだからすべて勉強だ。頑張ってカープの二番打者に定着してくれ。ボールもそうだが、せっかくつかんだチャンスを絶対に落とすなよ。
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