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【四番打者採点】日本ハム30点、ソフトバンク90点 パ・リーグ6球団「四番」の評価は?

 

まもなく開幕から2カ月が経とうとしているペナントレース。果たして、打線の軸である四番打者はしっかり働いているのか? パ・リーグ6球団で「四番打者」を100点満点で評価した。
記録は5月21日現在

北海道日本ハムファイターズ



日本ハム 30点

 2011年以来、日本ハムの四番を務めてきた中田翔が今季は極度の不振に陥っている。26試合で座った四番の打席では、打率.188、2本塁打、7打点。昨季108打点をマークし3度目の打点王に輝いた勝負強さは鳴りを潜めている。5月17日には、ついに登録を抹消された。得点源である主砲の不振は、最下位に低迷するチームの深刻な得点力不足に直結。近藤健介は四番に入った9試合で打率.310、2本塁打、7打点とまずまずの成績を残し、コロナ禍で緊急昇格した王柏融が、四番を務めた6試合で2本塁打と中田の代役として奮闘中だが、チームの勝利に導く一打にこだわる“大将”がこのままでは終われないだろう。

福岡ソフトバンクホークス



ソフトバンク 90点

 5月21日現在リーグトップの打率.261をマークする打線の中で、四番打者は打率.327、出塁率.395と好成績を収めている。開幕から四番に座ったY.グラシアルが打率.303の出塁率.376、二番以降の打順繰り上がりで“昇格”した栗原陵矢が.351の.397、グラシアルの故障離脱により四番を託された柳田悠岐が.344の.432と、いずれも高い数字だ。4年連続日本一中の常勝軍団の四番だけにプレッシャーのかかるポジションだが、しっかりとその役割を全うして打線を引っ張っている。特に本来四番があまり好きではないという柳田も、チーム状況を鑑み、責任感を背負って打席に立っている様子。5月25日からは交流戦がスタート。過去2度のMVPに輝いた“交流戦男”は、今季は四番で大暴れする。

オリックス・バファローズ



オリックス 70点

 四番の座を奪ってみせたのが杉本裕太郎だ。開幕直後は低調も「数字は意識しない」と、邪念を捨てて次第に復調。打球飛距離は群を抜き、ときに右方向への軽打も放つなど、状況に応じた打撃を見せ、5月4日からは12試合連続で四番起用。滞空時間の長い一発や、弾丸ライナーでの一撃、さらに右方向にもスタンドに突き刺すなど、リーグ2位の10本塁打をマークして得点圏打率.375と勝負強さを見せている。「四番目に打席入るだけと」と話す背番号99だが「四番というより『正尚(吉田正尚)の後ろを打つ』。アイツはいつも塁に出るので」と意識すべきは打点を挙げることだ。杉本の復調と同時に得点力が向上したことが、チームへの貢献度を物語る。

東北楽天ゴールデンイーグルス



楽天 75点

 今季は開幕から四番・浅村栄斗の前の三番に島内宏明が配置されていたが、4月30日に両者の打順が入れ替わった。島内は「一番やりにくい打順」と明かすが、その言葉とは裏腹に勝負強さを発揮している。「四番・DH」で出場した5月16日のオリックス戦(京セラドーム)では2回に右越えの5号ソロを放ち、結果的にこの1点が決勝点に。ルーキー・早川隆久のプロ初完封をアシストする、これぞ主砲という働きを見せた。34打点はリーグ1位。浅村も三番に座ってから3本塁打と、打順変更が両者にとって良い方向に作用している。

千葉ロッテマリーンズ



ロッテ 70点

 リーグ2位の打点33の貢献度は大。昨季に続いて四番に座る安田尚憲が、勝負強さ見せ、早くも本塁打は昨季の6に並ぶなど長打力も増している。得点圏の場面では安打でなくても犠飛や内野ゴロで打点を挙げるなど、背番号5の奮闘がチームの得点力を大きく上げた。ただ、5月に入ってからは、やや下降気味。「昨年は120試合。本来のシーズンはもっと長い。(調子の)波なく、結果を残せるようにしたい」と春季キャンプで話していた22歳にとって今が踏ん張りどき。チームも開幕5連敗を喫しながら早々に貯金生活に転じ首位も射程圏内。一番・荻野貴司、二番・マーティン、三番・中村奨吾と好調を維持する面々が並ぶ打線にあって、主砲のバットが火を噴けば得点力はさらに上がっていく。

埼玉西武ライオンズ



西武 60点

 開幕四番を務めた山川穂高が3月30日に負傷し、1カ月強、戦線離脱した関係で中村剛也、栗山巧森友哉も今季、四番に座った。その“代役”の中で特に存在感を発揮しているのが中村剛也だ。33試合に四番でスタメン出場し、同打順では打率.278、3本塁打、21打点をマーク。5月7日に山川が一軍復帰以降も、その座を譲っていないが、状況に応じて軽打で走者をかえすなどチームに勝利を呼ぶバッティングを貫いている。だが、近年は「四番にこだわりはない。チームとしては僕が四番を打っているようではダメ」と語っているように、本来は山川が四番を務めるのがベストだろう。背番号3が主軸を任せられるような状態になれば、現在4位のチームも浮上していくはずだ。

写真=BBM
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