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菅野智之、大野雄大の離脱でタイトル争いが混沌…12〜13勝で最多勝の可能性も

 

最有力候補が抹消を経験


登録抹消もあり、今季は白星が伸びない巨人・菅野(左)、中日・大野


 今年はセ・リーグ各球団のエースが、故障で戦線離脱するなど思うようにいかないシーズンを送っている。

 巨人・菅野智之は現在ファームにいる。昨年は開幕13連勝を含む14勝2敗、防御率1.97。3度目の最多勝、初の最高勝率(.875)、2度目のリーグMVPを受賞してリーグ連覇に大きく貢献したが、今年は春先から度重なる故障に見舞われている。3月26日のDeNA戦(東京ドーム)で開幕投手を務めた4日後の30日に足の違和感で登録抹消。この時は最短の10日で復帰したが、5月7日のヤクルト戦(東京ドーム)で4回を投げて51球で2安打無失点と勝利投手目前で、右ヒジの違和感を訴えて緊急降板。抑えてはいたが、投球の合間にヒジを気にする素振りを見せ、4回にオスナを右飛に仕留めた直球は140キロと本来の球速には程遠かった。今季2度目の戦線離脱。故障が悪化すると長期離脱の恐れもあるだけに、慎重に調整することになるだろう。

 中日のエース・大野雄大も上肢のコンディション不良で5月9日に登録抹消された。打線の援護に恵まれず、開幕から4試合登板で未勝利だったが、4月27日の阪神戦(バンテリン)、5月4日のDeNA戦(バンテリン)で2連勝。このまま波に乗ると思われた矢先の離脱はチームにとっても痛い。21日の巨人戦(バンテリン)で復帰登板を果たして7回1失点の力投を見せたが、今季3勝目はならなかった。

 菅野、大野だけではない。広島大瀬良大地も4月17日に「右腓(ひ)腹筋挫傷」と診断され、1カ月以上戦列を離れた。5月18日の巨人戦(東京ドーム)で復帰登板したが、6回3失点で今季初黒星を喫した。

 投手タイトル争いの有力候補とされていた菅野、大野、大瀬良がアクシデントに見舞われ、開幕から首位を快走する阪神もエース・西勇輝が3勝3敗、防御率3.53とピリッとしない。現在は広島・九里亜蓮、巨人・高橋優貴、阪神・ガンケルがリーグトップタイの5勝で並ぶ。ただ、高橋は1年通じて先発ローテーションで投げた経験がない。開幕から無傷の5連勝と絶好調だったガンケルも5月9日のDeNA戦(横浜)の投球中に右肩の張りにより、3回1失点で緊急降板。翌10日に登録抹消された。

00年以降15勝以下の最多勝は3度


「今年は各球団のエースの白星が伸びていない。菅野もまだ復帰のメドが立たず、大野も中日は貧打が深刻なので白星がなかなか稼げない。最多勝争いは12、13勝のラインまで落ちるかもしれません。試合をきっちり作る阪神・青柳晃洋もタイトルに絡んでくる可能性は十分にあると思います」(スポーツ紙デスク)

 新型コロナウイルスの影響により120試合制で行われた昨季を除き、セ・リーグの最多勝部門で15勝以下の投手がタイトルを獲得したシーズンは00年以降で3度しかない。00年に中日・バンチが14勝、01年にヤクルト・藤井秀悟が14勝、14年は阪神・メッセンジャー、中日・山井大介が13勝でタイトルを分け合っている。

 まだ各球団の試合数は100試合前後ある。主力投手たちがどれだけ白星を伸ばせるかはタイトル争いだけでなく、チームの命運も大きく左右するだろう。

写真=BBM
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