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プロ野球記録ノート

記録で見る交流戦。18試合制以降でもパが勝率.532…劣勢のセは巻き返せるか【プロ野球記録ノート】

 

2015年以降でもソフトバンクが通算1位


2019年の交流戦で優勝球団となったソフトバンク(左から現ロッテ福田秀平、現ヤクルト内川聖一和田毅松田宣浩


 今週から2年ぶりのセ・パ交流戦が始まる。2005年に始まった交流戦は当初1チーム36試合制で行われていたが、3年目の2007年には24試合制、そして2015年から現在の18試合制となった。

 過去には交流戦が大きくペナントレースを左右したケースもある。36試合制だった06年のセ・リーグは巨人が21勝9敗2分と大きく勝ち越し中日に3ゲーム差をつけての首位だった。しかし交流戦では中盤から8連敗など大失速。13勝23敗(11位)でリーグでも3位に転落。リーグ戦に戻ってもいきなり8連敗(交流戦からは10連敗)、序盤戦の調子は取り戻せずシーズン4位で終えた。

 巨人の場合は36試合だったが、18試合制でも失速した例がある。2019年のリーグ4連覇を狙っていた広島だ。4月前半は不調で最下位にも落ちたが中盤から8連勝、5月は20勝4敗1分で首位に躍り出て、2位・巨人に4ゲーム差をつけて交流戦を迎えた。ところが交流戦は3カード連続負け越し。結局6カード中5カードに負け越し5勝12敗1分の最下位で終え、2位に転落。リーグ戦が再開しても調子は取り戻せず、いきなり11連敗(1分挟む)。こちらも4位に終わった。

 交流戦15年間でパ・リーグの勝ち越しは14度。セ・リーグが勝ち越したのは2009年の1度だけ(70勝67敗7分)。通算ではパが1098勝966敗60分、勝率.532と圧勝しているのが現状だ。

 現行の18試合制となった2015年以降の各チームの勝敗を見ると、

1位 ソフトバンク 59勝28敗3分 .678
2位 西武     49勝38敗3分 .563
3位 日本ハム   47勝41敗2分 .534
4位 ロ ッ テ   47勝43敗0分 .522
5位 楽天     47勝43敗0分 .522
6位 オリックス  45勝43敗2分 .511
7位 広島     44勝44敗2分 .500
8位 巨人     41勝49敗0分 .456
9位 阪神     39勝48敗3分 .448
10位 中日     38勝51敗1分 .427
11位 DeNA     37勝51敗2分 .420
11位 ヤクルト   37勝51敗2分 .420

で、きれいに両リーグが分かれている。セ・リーグで5割に届いているのは広島だけ。通算でもパ・リーグが294勝236敗10分、勝率.555。それ以前のパの勝率が.524だったので、短期になり、よりパ・リーグの強さが際立っている。5年間の投手、打撃の数字を比べて見ても、

  打率 本塁打 盗塁 防御率
パ .258  499  727  3.45
セ .247  442  667  3.94

と、これもパが上回っている。

 一方、パの三振は4131(セ=3994)と多く、四球もパは1769(セ=1613)と多い。フルスイングが多いと言われるパの打者をセの投手が警戒しすぎているという構図が見えてくる数字でもある。今季セ・リーグが一矢を報いて12年ぶりに勝ち越せるかが注目される。

5年間の各主要部門の上位者は?


 最後に5年間の各主要部門の上位者を見てみよう(☆は2021年NPB未所属)。

◎打率(250打席以上)
 1位 角中勝也(ロ)  .364
 2位 秋山翔吾(西)  .362 ☆
 3位 鈴木大地(ロ・楽).343
 4位 宮崎敏郎(デ)   .335
 5位 柳田悠岐(ソ)   .332
 6位 丸佳浩(広・巨) .305
 7位 鈴木誠也(広)   .300
 8位 森友哉(西)    .299
 9位 筒香嘉智(デ)  .298 ☆
 10位平田良介(中)  .297

◎本塁打
 1位 松田宣浩(ソ) 25
 1位 山田哲人(ヤ) 25
 3位 中田翔(日)  22
 4位 柳田悠岐(ソ) 19
 4位 メヒア(西)  19
 6位 中村剛也(西) 18

◎盗塁
 1位 西川遥輝(日)  25
 2位 金子侑司(西)  22
 3位 糸井嘉男(オ・神)21
 4位 大島洋平(中)  18
 5位 源田壮亮(西)  16
 5位 田中広輔(広)  16
 5位 山田哲人(ヤ)  16

◎防御率(60投球回以上)
 1位 菊池 雄星(西)  1.59 ☆
 2位 則本昂大(楽)   2.15
 3位 メッセンジャー(神)2.22 ☆
 4位 美馬学(楽・ロ)   2.26
 5位 武田翔太(ソ)   2.60
 6位 岸孝之(西・楽)   2.68
 7位 山口俊(デ・巨)   2.81 ☆
 8位 西勇輝(オ・神)   2.83
 9位 ジョンソン(広)  2.94 ☆
 10位ディクソン(オ)  3.09 ☆

◎勝利
 1位 菊池雄星(西)   9勝0敗 ☆
 1位 石川歩(ロ)    9勝5敗
 3位 バンデンハーク(ソ)7勝1敗 ※
 3位 メッセンジャー(神)7勝4敗 ☆
 3位 菅野智之(巨)   7勝6敗
 6位 美馬学(楽・ロ)   6勝2敗
 6位 千賀滉大(ソ)   6勝3敗
 6位 山口俊(巨)    6勝3敗 ☆
 6位 中田賢一(ソ・神) 6勝3敗
 6位 則本昂大(楽)   6勝5敗
 6位 大野雄大(中)   6勝5敗
 6位 有原航平(日)   6勝4敗 ☆
 6位 金子弌大(オ・日) 6勝7敗
※今季はヤクルト

◎セーブ
 1位 松井裕樹(楽)  24
 1位 増井浩俊(日・オ)24
 3位 山崎康晃(デ)  20
 4位 サファテ (ソ) 16
 5位 増田達至(西)  15
 6位 森唯斗(ソ)    14
 7位 西野勇士(ロ)  11
 7位 中崎翔太(広)  11
 7位 田島慎二(中)  11

文=永山智浩 写真=BBM
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