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2年ぶり開催、交流戦の見どころは? 阪神・佐藤輝明、楽天・早川隆久ら新顔のプレーに注目

 

首位阪神を牽引する黄金新人


現在、リーグ3位タイの10本塁打、同2位の32打点を挙げている阪神・佐藤輝


 昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となった交流戦が2シーズンぶりに開催される。ファン待望の交流戦は、2年前とは違う様相を呈しそうだ。ニューフェースの台頭が目立ち、両リーグとも戦力地図は大きく変化。「ルーキー大豊作のシーズン」と言われる今年のリーグの垣根を越えた戦いは、例年とはひと味違った盛り上がりが期待できそうだ。

 打者では、セ・リーグの首位を快走する阪神のドラフト1位、佐藤輝明の打撃が楽しみだ。ドラフト制導入以降では、新人最速となる2ケタ本塁打に33試合目で到達。5月2日の広島戦(甲子園)から四番に座るなどチームの顔になりつつあるゴールデンルーキーは、パ・リーグを代表する投手になった同学年でもあるオリックス山本由伸の真っすぐをどうはじき返すのか。佐藤輝本人も「しっかり食らいついて、三振か、ホームランかのフルスイングで勝負したい」とコメント。普段とは異なる相手と真剣勝負をする交流戦は、選手のポテンシャルを違った角度から確認するバロメーターになる。

 佐藤輝と今後も語り継がれる名勝負をしてくれそうなのが、楽天のドラフト1位・早川隆久だ。5月16日のオリックス戦(京セラドーム)では、散発3安打のプロ初完封を収め5勝目をマーク。23日のロッテ戦(ZOZOマリン)では6回2/3を5失点ながら6勝目。ハーラーダービーでトップに立つなど評判どおりの実力を発揮し、パの主力投手として頭角を現している。

 昨秋のドラフトで、早大と近大の「東西の雄」として脚光を浴びた2人が、交流戦という舞台でぶつかる可能性がある。日増しに進化するセの大砲と、チームの牽引役を務める新人左腕としてプロ1年目を迎えた逸材たちの攻防は、ファンならずとも胸が躍る。

2年目以上の若手も見逃せない


西武のセットアッパー・平良も交流戦は初出場になる


 DeNA牧秀悟、ロッテの鈴木昭汰ら一線で頑張る実力派ルーキーの名前を挙げるときりがないが、2年目以上の若手からも目を離せない。中日柳裕也巨人高橋優貴、オリックス・宮城大弥らは、セ、パの防御率部門で上位争いをするなど、今やチームの中軸的存在。高校野球ファンを沸かせたヤクルト奥川恭伸、ロッテ・佐々木朗希は眠れる才能を開花させられるか。昨年の新人王で、今季は開幕から23試合連続無失点を続ける西武の剛腕リリーバー・平良海馬も交流戦初見参だ。

 同世代選手がもがき、階段を上っていく姿を間近に感じることは、刺激になるとともに、間違いなく自身のレベルアップへとつながる。野球へのアプローチとスタイルの異なるリーグの選手との対戦は、発展途上の若手が今後への「何か」をつかむチャンスになり得る。

 セ、パの通算戦績はパの通算1098勝966敗60分。セが勝ち越したのは70勝67敗7分の2009年の1度だけだ。前回まで10年連続勝ち越しと、パが圧倒的な強さを見せている。昨年の日本シリーズではソフトバンクが巨人にパワーとスピードの違いを見せ付け、2年連続の4連勝で下した。「セ、パの格差」がささやかれている中、佐藤輝、牧らセの新人をはじめ、勢いに乗る若手にはコンプレックスなどみじんもない。もちろんパのライバルたちも、セの逆襲に黙ってはいないだろう。世代交代を果たした2年ぶりの交流戦は、プロ野球の新時代の幕開けになるかもしれない。
 
写真=BBM
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