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慶大・正木智也が“ノルマ達成”で「通算10号」。果たして、どこまで本数を積み上げるか?

 

際立つ長打力と勝負強さ


慶大・正木智也は早大1回戦(5月29日)の4回表にソロアーチ。2年春から積み重ねてきた本塁打を「通算10号」とした


 いよいよ量産体制に入ってきた。

 慶大の四番・正木智也(4年・慶應義塾高)が早大1回戦(5月29日)でソロ本塁打を放ち、リーグ戦通算10号とした。

 0対1で迎えた4回表の同点弾。そのイニングにチームは2点を加えて逆転に成功し、価値ある一発だった(3対2で勝利)。

 慶大は試合が組まれていなかった前週(第7週)に、3季ぶり38度目のリーグ制覇が決定。しかし、第8週の早慶戦を残しており、最後まで気を緩めることは決してなかった。昨秋の早大2回戦では、優勝まであとアウト1つから逆転負けでV逸。早慶戦での悔しさは、早慶戦でしか晴らせない。5校との「対抗戦」である東京六大学においては、当然の考えだ。

 待望の2ケタに到達。今春の開幕前、正木は「年間(春、秋)で8本打ちたい」と語っていた。今春は4本目であり、単純計算でノルマを達成したことになる。さらに、数字としては打率.350以上、10打点を設定していた。

 正木はチームトップの12打点を挙げているのに対し、打率.226は慶大で規定打席に到達している8人で最も下にいる。シーズン7安打のうち、4本塁打。むしろ長打力と勝負強さが際立っている。慶應義塾高では3年間で通算50本塁打(練習試合を含む)。慶大では初アーチを放った2年春から昨秋までの4シーズン「2、1、1、2」と積み重ね、今春はシーズン自己最多を更新。右の長距離砲として成長した姿を、数字で示している。

 過去の慶大の本塁打記録を見ていくと、リーグ歴代1位の23本を放った高橋由伸(元巨人)、同3位の21本の岩見雅紀(現楽天)、17本の大森剛(元巨人)、15本の谷田成吾(元四国IL/徳島ほか)、13本の高木大成(元西武)、横尾俊建(現楽天)、12本の上田和明(元巨人)と続く。

 正木は今後も相手校の徹底マークが予想されるが、警戒される中で結果を残してこそ、本物のスラッガーということを証明できる。バットの芯さえ食えば、高い確率でスタンドインと言えるほど、パンチ力は相当なレベルに達している。

 学生として最後のシーズンとなる今秋を含め、どこまで本塁打数を伸ばしていくか。慶大の背番号1を着ける正木から目が見逃せない。

文=岡本朋祐 写真=矢野寿明
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